英国から逆輸入!? 常識覆す放射線増感剤:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)
配信:日経メディカル 2021.06.22
原価が高すぎるという問題で製品化がとん挫していたKORTUCという放射線増感剤のお話。
効果がかなり高いようですので注目です。
【抜粋】
腫瘍径が30~164mm(T2が5人、T4が7人)の局所進行・再発乳癌患者12人に対し、リニアックを用いて約3週間の放射線治療を行った(2.75Gy×18回照射と6Gy×6回照射が6例ずつ、治療前に1人脱落)。照射2週目からは放射線増感剤のKORTUCを週2回、超音波ガイド下で腫瘍に局注。その結果、12人全てにおいて腫瘍が50%以上縮小、半数は90%以上縮小し、1年後のフォローでも腫瘍の増大は認められなかった。一次エンドポイントとなる副作用は注射後の軽い痛み程度で、高い忍容性も確かめられた(Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2020;108:1019-29.)。
2010年からKORTUC治療を臨床研究として行っている長崎県島原病院(長崎県島原市)放射線科診療部長の小幡史郎氏は、「KORTUCは癌治療のあり方を一変させる可能性を秘めている」と語る。「新しい治療法なので、内容を聞くと及び腰になる医師も多いが、KORTUCは大きな副作用もない上、『低酸素状態』『抗酸化酵素』という通常の放射線治療の障害になる要素を取り払う効果を持っている。それを踏まえれば、従来の治療に追加することで、少なくともマイナスの効果は生じないと考えてほしい。