自由診療の選択は慎重に 大金払ってがん免疫療法を選んだ男性の後悔(マネーポストWEB) - Yahoo!ニュース

210607

 

私は自由診療をおすすめする者ではありませんが、このような自由診療アンチ系の医療ジャーナリズムには疑問を持っています。

 

なぜかと言うと「保険適用の標準治療」と「それ以外」という単純すぎる構図での論評がほとんどであるからです。

標準治療は今や、最高の治療法であることは知れています。しかし、その素晴らしい標準治療では治せないと踏まれた患者さんの選択肢を「それ以外=無駄」という一概な捉え方で否定しているのです。

 

この記事であげられている事例がそもそも事実なのかどうなのか知りませんが、その100万円かけた自由診療がどのようなものであったのかの説明が必要なのではないでしょうか。少なくとも後述されているように、海外では承認が取れていて日本ではまだというものなのか、まったく根拠の無い療法なのか、その程度の説明はあってもよいでしょう。自由診療と言っても色々ですよ。

 

また海外で承認済みでも日本で未承認の療法が「全ての人に効くわけではない」とは当たり前のことで、標準治療でも全ての人に効くわけではないわけです。その標準治療で効かなかった人の選択肢としてどうか、という評価を「全ての人に効くわけではない」などと言って否定するのはおかしいでしょ。

 

繰り返しますが、標準治療は素晴らしいもので、がん治療においては絶対に受けるべきものだと確信しています。しかし、それが奏効しない場合、自由診療や民間療法は、最低限、安全性確認が取れているものを選択肢にすべきです。海外での承認療法も選択肢としてあって良いとは思いますが、無理な出費(=個人差が大きいところ)となるならよく考えた方が良いと思います。私としてはこのような感じです。