ある受験指導者(A先生としておきます)とお会いしました。

大変面白いお話が出来たと同時に、私自身も受験指導をしてみたくなりました。


A先生は、受験指導において相当の自信をもっており、

「行政書士試験は3ヶ月で合格可能だ」

と主張します。

一日10時間やれば、初学者でも3ヶ月で、

合格水準には十分到達する、と断言します。


つまり、勉強時間900時間で、合格水準到達可能、ということです。

なるほど、私も、

行政書士試験に合格可能性のある受験生(実質的意味の受験生)になるための学習量は、

1000時間程度でないかと思っていました。

ただし、私は一日3時間(週休1日)の一年間を想定していました。


一日10時間…

「そんなに勉強したら、頭がおかしくなりそう…」という人もいますが、

A先生に言わせれば、

旧司法試験受験生、法科大学院生、専業司法書士試験の受験生の中では、

一日10時間は常識で、専業で10時間勉強できないようでしたら、

専業受験生なんて選ぶべきではない、とのことです。

それに、今の行政書士試験受験生の中の強力なライバルは、

一日10時間勉強している法科大学院生です。


たしかに、サラリーマンは8時間労働プラス残業をするのが当たり前ですから、

専業受験生の学習ノルマは、最低でも一日8時間ということになるでしょう。

かなり手厳しい言い方ですが、それができない専業受験生は、

心に甘えがあるのではないか、と言われても仕方ありません。


A先生の話、大変参考になりましたし、

現実にA先生の講義(DVDまとめ聴きという必殺技)で、

一日10時間、3ヶ月の勉強の合格者は出ているようです。


ただし、それは、個人の能力にも依存するのではないかな、と私は思うのです。

変な言い方ですが、ある特定の分野において、

個人の能力として、向き不向きは、存在すると思います。


法律の勉強も、向き不向きがあると思います。

なお、法律の勉強に関して、仮に不向きな人がいたとしても、

試験に合格して、実務に就いたときに顧客の役に立てば、一向に問題ありません。

実務で求められるのは、法律知識、経験、そして”人としての魅力”だったりしますので、

実務界におきましては、最短合格を果たした人の方が、

長期受験経験者より優秀というわけではないと思います。


でも、合格しないことには、実務のスタートラインに立つことさえ許されません。

私は、特別な能力のない、要領の悪い人が、

確実に受かる合格方法を提示できないかな、と思っています。

”超短期”で合格する必要は、ないと思うのです。

「これだけやれば、確実に合格する」、と必ず言えるような確実性の高い内容の受験指導、

できないものでしょうか?


現在の行政書士試験の合格者に、法科大学院生の割合がかなり高くなっていることを、

私は予想しています。

彼らの合格率は、一般の受験生より相当高いと思われます。

でも、彼らだって、法科大学院で3年間、主に司法試験に向けた勉強をしているだけなのです。

司法試験の範囲の中で、行政書士試験に出題される分野は、半分以下です。

つまり、行政書士試験に出題されない内容を半分以上勉強している、

法科大学院生が合格する試験に、専業受験生が合格できないという現実。


3回目以上の受験で合格できなかった人は、この点、考えて欲しいと思います。

予備校サイドとしても、最短合格を出すことに頭が回りすぎで、

適正期間で確実に合格させるような受験指導システムが確立できていないと思うのです。


最短合格(短期合格者数や最短期間合格)を競うのが、

資格試験の予備校のステイタスなのかもしれませんが、

予備校でも不合格者が多数派であるというのが現実でしょう。


特別の能力はなくとも、本気で合格したい、努力を惜しまない人が、

適正期間で確実に合格できるような受験指導に、私の興味があるのです。

確実に合格する学習は、最短で合格する学習よりもずっと高いレベルで、

ある程度、法解釈学の本質を探る世界へと足を踏み込むことになるでしょう。

それでも、半年~1年あれば、十分間に合う、と私は思っています。

因みに私は、行政書士試験の適性受験期間は、半年~1年程度ではないかと思います。


A先生と会話し、試験の事、予備校の事、色々考えさせられました。

私自身で、受験指導をしてみたくなりました。

もちろん、「言うは易し」なのですが…