あのころ13歳だった。
受験して入った中学は驚くほど退屈で、
私は毎日刺激を求めていた。
ある日、新聞で興味深い記事が特集されていた
万引き常習犯の女子高生が
インタビューに答える、
というもの。
細かい内容はよく覚えてないが、
・その女子高生達は日常的に万引きをしている
・スリルが楽しくて面白いからやめられない
みたいな内容だったと思う。
記事を読んだ時の衝撃を、
今でも覚えている。
当然その記事は社会課題への警告だったのだけど、
無知で退屈極まりない13歳の私は違った。
とてつもない共鳴を受け、
すぐさま切り抜いて親友のマリに見せに行った





「ねぇねぇ、万引きって楽しそう



しかもフツーにみんなやってるんだって



」




」(やってるわけないwwwww)
その直後、
マリと近くのお店で万引きをした。
当時は防犯カメラは今ほど数が多くなく、
それはそれは
「世界は私たちのためにあるのだ」
と錯覚させるほど、
あっけなく万引きは完了した。
中毒だった。
味をしめた私たちは他の友人4人を巻き込み、
色々なお店で色々なものを盗んだ。
驚くほど無意味な理由で、
ただ楽しいから、
手に入れてみたいから万引きした。
本当に欲しいものなど何1つとしてなく、
スリルや刺激と暇つぶしのために。
そして盗んだ商品の包装紙をめくると、
その途端に楽しみは終わった。
しばらくして愚行は露呈し、
私たちは6人とも停学になった。
父親は無言で机を叩き、
母親は私を睨みつけるだけだった。
けれど、私はあの時言ってほしかった。
ちゃんと教えてほしかった。
ちゃんと叱ってほしかった。
当然悪いことだという認識はあったけれど、
何故、人のものを盗んではいけないのか。
あの時、13歳の私に、
ちゃんと言語化して説明してほしかった。
決して両親を責めてるわけではない。
ただ、そうしてほしかったな、
と思っていただけ。
再び停学くらうのも面倒なので、
万引きはやめたけれど、
反省などしてなかった。
あーあ残念
厄介なことになっちまったし
楽しみが減った
位に思っていた。
あの時、
きちんと対話してくれる大人がいたら
違ったのかもしれないと今では思う。
だからもしも、
非行少年少女に関わる大人たちがいたら、
きちんと対話して、
何故いけないことなのか
当たり前のことでも説明してあげるべき。
どうしてそんなことをしたのか、
聞いてあげるべき。
10代なんて、
ましてや中学生なんてまだ子ども。
空に漂う気球くらいに危うい心の持ち主。
私がきちんと向き合ってくれる
大人に出会ったのは5年後のことで、
それから人生は確かに変わった。


