親友マリとの出会いは強烈だった。
中学に入学して早々、
私は他校に、
藤原君というボーイフレンドができた。
20年以上も前の時代ではマセガキである。
ある日、
話したこともない隣のクラスの女子から
放課後呼び出された。
学年で1.2を争うまごうことなき美女、
マリである。
そういえば藤原君から、
マリとも連絡先を交換したと聞いていた。
「藤原君にこれ以上近付くな
!!」
という、宣戦布告に違いないと思った。
ちなみに藤原君はイケメンである
しかし、予想は大きく裏切られた。
マリの第一声は、
「ねぇ、交換日記しよっ♡」
だった。
(©️ピーチガール)
「藤原くんと遊んでるんだよね?
マリもなのぉ♡
これから仲良くしようねっ♡」byマリ
それから、
今考えると奇妙な交換日記が始まった。
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リカちゃんへ
昨日、藤原君にキスされたんだっ。
駅ビルの屋上に行って、
ギュッてされて最初は髪をなでてるだけだったんだけど....……
マリちゃんへ
私も明日は藤原君とデートだよぉ。
街で待ち合わせてるけど行き先はまだ決めてないんだっ。………
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「異性の共有」と「交換日記」という、
相反する世界に属するもの同士の創発。
若さ故のあどけない発想が、
老練と幼稚の融合を可能
にしていた。
それは恋も愛も知らぬ
小学校を卒業したばかりの
少女達のおままごと。
私たちは至って真面目に真剣に
藤原君を共有し、
電話の内容に始まりキスの仕方など、
毎日せっせとお互いの進捗を
ノートに綴った。
2人とも
藤原君に微塵も恋心を抱いてなかった
からできたことなのだろう。
(況んや藤原君をや。)
もしもどちらかが
彼を好きであったなら、
嫉妬で交換日記など続かなかった。
藤原君への感情は、
単なる異性への興味だった。
所有欲も独占欲も皆無だった。
形式は同じだが中身は大違い。
(©️花とアリス)
マリとはとても気が合って、
彼女が退学になる中1の冬まで
毎日のように遊んだ。
▼過去記事▼
(©️花とアリス)
その後も学校は違ったが、
私が上京するまで頻繁に会い、
帰省するたびに遊びに行き、
今でも家族ぐるみで付き合いがある
交換日記を始めてからしばらくして、
藤原君とマリはセックスをした。
私たちはたちまち
三角関係のおままごとに興味を失い、
交換日記も終わりを遂げた。
マリも私も、
それから二度と
藤原君と会うことはなかった。



