「猫のしっぽ カエルの手」ベニシアさん死去、72歳…京都・大原で古民家暮らし

 

京都・大原の築100年以上の古民家で暮らし、その自然と調和したライフスタイルが人気を集めた英国出身のハーブ研究家、ベニシア・スタンリー・スミスさんが21日、誤嚥(ごえん)性肺炎で死去した。72歳だった。葬儀は近親者で済ませた。

 

英国の貴族階級出身。1971年に来日し、78年に京都で英会話教室を開設。96年に大原に移り、自ら育てたハーブを料理や生活用品に活用する暮らしを始め、「ベニシアのハーブ便り」などのエッセーにまとめた。

そんな日々を紹介し、自らも出演したNHKの番組「猫のしっぽ カエルの手」は好評となり、ドキュメンタリー映画「ベニシアさんの四季の庭」にもなった。

 

夫は山岳写真家の梶山正さん。

 

 

 
 
ベニシアさんを初めて知ったのは
今から30年ぐらい前の事だったと思います。
 
たまたま見た番組の小さな特集コーナーで

「貴族として生まれながらその生き方に大きな疑問を感じ、貴族の身分を捨てて日本で暮らしているイギリス人女性」と紹介をされてたのを見て

「え?あせるまるで漫画か映画みたい!あせる

「そんな人が日本にいるんだ?チューあせる

とかなり衝撃を受け、

興味津々になったのを今でも覚えています。

 

 

その後彼女はメディアに登場する機会が増え

本を出版されたりと活躍の場を広げていきましたが

やはりベニシアさんといったら何と言っても

NHK『猫のしっぽ カエルの手』でしょう。

 

 

 

「古民家の雰囲気が好き」

「料理が好き」

「ガーデニングが好き」

「ハーブが好き」

「手作りが好き」

 

という方なら

絶対一度は見たことがあると思います。

 

 

 

 

もちろん私はベニシアさんのライフワークに

どっぷりハマってしまったわけですが

特にイギリスの田舎の様なキッチンが大好きでした。

 

「和家具を置いてあるのになぜかイギリスに見える」

というのが何とも魅力的だったんです。

 

 

 
それとこのお庭
 
 
 
 
 
 
どんなに広くてどんなに立派でも
「作り込んだ感のある庭」というのが
私は好きではなくて、こういう
「自然に生えてます的な庭」が好きなんです。
 
また、庭で育てたハーブで
お茶を飲んだり料理を作ったり
化粧品を作っているのをみるたび
「コレよコレ!笑い泣きあせる」と
よく溜息をついたものです。
 
 
でも数年前から『猫のしっぽ カエルの手』の
新規の放送があまりされなくなってしまい
以前放送されたものを流すことが多くなってきて
「あれ?どうしたんだろう?」と思っていたら
「目が悪くなってきていてもう料理も作れない状態」
「認知症の症状も出てきている」
「そのため新規の放送が難しい」
というお話がありました。
 
 
その時思ったのは
 
大自然に囲まれた素晴らしい環境の中で
家仕事や庭仕事をしながら
「頭も手も足も使う」という生活をしていたのに
それでも病気っていのは
お構いなしに襲い掛かってくるんだ
 
ということ。
 
そしてまだ72歳という若さで
逝ってしまいました。
 
 
 
私の母は「大自然の中で暮らす」
という事こそありませんが、それ以外は
ベニシアさんとほぼ同じ様な暮らしを
ずっと続けてきました。
 
昨年、目に問題が起こってしまい
初めて手術を受けましたが
それ以外はどこにも異常がなく
88歳の今も元気に過ごしています。
 
 
「この差は一体何なんだろう」
「結局その人の体質や遺伝的なものが
左右するんだろうか」など
色々と考え込んでしまいましたが
でもベニシアさんは自分の人生を
自分が思う通りに自分らしく生きました。
 
 
豪華なドレスを身にまとって
毎日の様に行われるパーティーに明け暮れ
自分と釣り合う男性を見繕ってもらって結婚する
 
そんな生き方に大きな疑問と違和感を持ち
そんな人生を送ることを拒否し、
家を出て日本へやってきたベニシアさん。
 
その日本で、恋に落ちた男性と結婚し
家庭をつくり子供を産んで育て上げました。
 
素晴らしい友人らにも恵まれ
大自然に囲まれた京都大原の地で

人を愛し自然を愛し

自分がやりたい事に没頭して生きた人生でした。

 

 

確かに72歳という年齢はまだ早すぎるし

その点はどうしても残念に思ってしまうけれど

何をしたらいいのかわからない

やりたい事が何もない

何で生きているのかわからない

という人が多い今のこの世の中で

何とも幸せで見事な人生だったのではないかと

思わずにいられません。

 

 

そしてあなたの人生に触れることができた私も

本当に幸せだと思っています。

 

長い間 ありがとうございました。