母と結婚し待望の男の子を授かった父
息子との野球三昧の日々を夢見ていた父
でもその子は生後3日で
この世を去ってしまいました。
父と母
二人にとって初めての子だった息子
その子と過ごせたのがたった3日だなんて
一体誰が予想できたでしょうか。
第一子長男を失った両親が
どれだけ嘆き悲しんだか
私には想像もできません。
でも失った子を思って
いつまで泣いていてもどうにもならないし
心に開いた穴が塞がることも
なかったんだと思います。
その後、母はまた子供を身ごもりました。
そして生まれたのが姉「ち~ちゃん」です。
病院の医師や看護師さんたちは
生まれたのが男の子ではなかったことで
父がショックを受けてしまうのではないかと
それはそれは心配していたと言いますが
病院にきた父は満面の笑みを浮かべ
「無事に生まれてくれて良かった」
「この子は絶対に死なせない」と
生まれたばかりのち~ちゃんを
ずっとずっと見つめていたと言います。
そんな両親の願いを知ってか知らずか
稀にみるような健康体で生まれてくれたち~ちゃんはスクスクと育ってくれて
両親も親戚たちもみんな胸を撫で下ろしたそうです。
でもそうなってくると
やはり皆の心に湧いてくるのは
「次こそは男の子」
「とにかく男の子」
「絶対に男の子」
「何が何でも男の子」
両親や親せきや知人友人全てが期待する中
私はうっかり誕生してしまったのです。