バナナにも遺伝子組換えとゲノム編集の品種が開発された! | 心と体を健康にするダイエット法

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いつもありがとうございます。
ハッピーダイエットの船田です。

現在のバナナ栽培は伝染病のため世界的に危機的状況です。そのため伝染病に耐性のある遺伝子組換えバナナやゲノム編集バナナが開発されています。

この遺伝子組換えバナナなどの安全性は検証されていないので問題がある。まだ流通していないが、農業生産が土地の生態系を守る方法を広げることが大事です。

安易な遺伝子組換えやゲノム編集による品種改変は、伝染病や生態系の問題をより複雑なものにしてゆくだけだと思います。

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オーストラリアとニュージーランドはフザリウム(真菌、TR4)に耐性のある遺伝子組み換えバナナを今月承認した(栽培と食品としての流通)。でも、両国ともこの遺伝子組み換えバナナの生産する予定はなく、この承認は他国での栽培を想定しているようだ。

60日間の検討期間があり、この間に覆されなければこの承認は両国の決定となる⁽¹⁾。もっとも、遺伝子組み換えバナナが栽培されるには、まだ時間がかかる。その間にすべきことを考える必要がある。
 
 なぜ、こんな遺伝子組み換えバナナが登場してくるのかというと、実は現在作られているキャベンディッシュという品種のバナナは今、フザリウム菌による立ち枯れ病(新パナマ病)で絶滅の危機にあるからだ。スーパーに並んでいるほとんどの品種がこのキャベンディッシュ。
 
 でも1950年代まで世界の市場に出ていたのはグロスミッチェルという品種だった。この品種をTR1とよばれるフザリウム菌が襲って、この品種はほぼ全滅。

TR1に強い品種として世界で栽培されるようになったのがこのキャベンディッシュバナナ。でもこの品種もまた別のフザリウム菌TR4に襲われ始めた。

現在のバナナはタネを作らず、株分けで増やしていくため、遺伝的にほとんど同一になってしまう。それを世界中で同じものを栽培するので、どこかで感染症が発生すると、それが全世界に及んでしまう。グロスミッチェルの運命をキャベンディッシュもたどる可能性が高いとみられている。
 
 だからこの感染症に強い野生のバナナの遺伝子を遺伝子組み換えにより、キャベンディッシュのバナナに入れた。もしタネができる品種であれば交配させることで遺伝子組み換えを使わずとも病気の強い品種が作れる。でもタネを作らないキャベンディッシュではそれができない。
 
 GE-Free New Zealandによればこの遺伝子組み換えバナナは環境への安全性も食品としての安全性の審査もされていないという。

特にバナナは離乳食として重要で、アレルギーを引き起こさないかという実証もなく、ゴーサインを出したことを同団体は強く批判している。ニュージーランドでは生食で食べるようなケースでは表示もないという。市民は40日間、関係大臣に意見表明ができるとのこと⁽²⁾。
 
 今回の決定はオーストラリアとニュージーランドでこの遺伝子組み換えバナナの生産を始めるためのものではなく、両国とも他国での生産を前提としているという⁽³⁾。

たとえばフィリピンやベトナム、インドなどで生産されて、それが輸入されるというイメージだろう。もし新パナマ病の状況が悪くなればこのバナナの生産が開始されてしまうかもしれない。そしてそれは日本にもやってくる可能性がある。まだ日本では承認されていないが。
 
 従来の遺伝子組み換えではなく、「ゲノム編集」を使ったバナナも作られている。すでにケニアでは「ゲノム編集」によってBanana streak virusに耐性にしたバナナを作っている⁽⁴⁾。

これはパナマ病とは違い、人の帯状疱疹のようにバナナに眠ったウイルスがバナナの状態が悪くなると活動を活発化させ、多大な被害を起こすが、それを防ぐために、「ゲノム編集」によってこのウイルスを無効化させるもの。

品種が違うのでこれが日本に来ることはないだろうが、キャベンディッシュでも「ゲノム編集」バナナの開発が進んでいる。
 
 今後のバナナは遺伝子組み換えや「ゲノム編集」がなければ生き残れない? いや、そんなことはない。

世界中で同じ品種ばかり植えるというきわめて不自然なことをやるから次から次へと菌やウイルスにやられてしまう。もっと多様なバナナを栽培するようにしていれば、1世紀に2品種も絶滅するということを繰り返すことはしなくて済んだはずだ。

 逆に言えば、それを続けるのであれば遺伝子組み換えバナナもまた次の菌病にやられることは時間の問題となる。食料の生産を現在のような単一品種の大量生産ではなく、多様な品種を地域で分散して作り、食料生産を生態系を守る方向に変えていくことができるかが鍵だということだ。
 
 遺伝子操作は問題を先送りして、問題をより複雑に、そしてより深刻にするだけだろう。食のシステムの転換こそ急務である。
 
(1) Genetically modified banana approved by regulators for first timehttps://www.newscientist.com/article/2417568-genetically-modified-banana-approved-by-regulators-for-first-time/

Genetically modified banana resistant to Panama disease given approval for Australian consumption
https://www.abc.net.au/news/2024-02-16/australia-approves-first-genetically-modified-banana-panama-tr4/103476986

(2) FSANZ Fails Responsibility for 'Duty of Care' as Untested GM Bananas Gets Go-Aheadhttps://www.gefree.org.nz/press-releases-2019-2023/25022024-fsanz-fails-responsibility-for-duty-of-care-as-untested-gm-bananas-gets-go-ahead/

(3) https://twitter.com/GRAIN_org/status/1760980610791977307/

(4) Virus lurking inside banana genome has been destroyed with CRISPR
https://www.newscientist.com/article/2192461-virus-lurking-inside-banana-genome-has-been-destroyed-with-crispr/