昆布の生産が危機的状況を迎えているが、何が危機になるか、何が幸いするか、本当にわからない。 | 心と体を健康にするダイエット法

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ハッピーダイエットライフの船田です。

 

昆布漁師は重労働で儲からない。

水産資源の減少と共に、後継ぎがいない昆布漁師の実態を紹介した記事。

 

たしかに、そうなのだろう。

昆布などの海藻も備蓄に加えておきたいですね。

 

思い出すのは、ムツゴロウこと、畑正憲さんのエッセイ。

 

実際に、昆布漁は重労働で収入は少ないのだと思いますが、ムツゴロウさんが地元の漁師に聞いた話が紹介されていた。

 

なんでも、大東亜戦争当時、空中を敵機が偵察するなか、ある漁師は堂々と海に出て昆布を取り続けたという。そんな危ないことをする漁師はほかにはいなかった。

 

その危険を顧みずの漁師は、いくらアメリカ軍でも、昆布を取っている漁師など攻撃するはずがない。それにどこにいようと危険なことに変わりはないといって、漁をつづけたとか。

 

そして、終戦後、あらゆる物が不足するなか、昆布など水産資源も不足していて、大都市の料亭の買い付け係が、わざわざ北海道の現地に買い付けに来たそうな。

 

そこで、戦争中も昆布を採取していた方は、この買い付け係に昆布を売ったところ、驚くような高値で買ってくれたとか。

 

そして、彼はそのお金をもとに大型の船を買い、遠洋漁業に乗り出し、サケマス漁で、お金がうなりをあげて入ってきたそうです。

 

ところが、北洋漁業は危険と隣り合わせで、時々訪れる台風で、沖で沈没する船も多かったという。それで、彼は漁船を売って、隠居したという話。お金よりも命が大事ですからね。

 

いろいろ、考えさせられる話でした。この現代の昆布漁も人気がないのだと思いますが、食糧危機がくるといわれるなか、農業や水産業は、これから人気が出ると思いますよ。

 

 

 

食卓から昆布が消える? “和食の危機”も目前か…高齢化による生産激減に一手、「利益度外視」の挑戦

配信

オリコン

 

 食が多様化し、白米の消費量も落ちている昨今。とはいえ、和食が日本人にとって欠かせないものであることは変わらない。和食のキモといえば「だし」文化であろうが、それを支える食材のひとつ、昆布の生産が危機に陥っているという。

 

生産量は30年前から3割減、昆布漁業者はこの10年で2割減。現役漁業者は、ほとんどが高齢者だ。今後も昆布が和食を支え、手軽なゴハンのお供であり続けるとは限らない。現状について、昆布佃煮の市場 シェア5割の食品メーカー『フジッコ』に聞いた。

 

■「ホタテ御殿」が建つ一方で…、負担多いわりに儲からない昆布漁  

 

昆布漁はその90%が北海道で行われ、30年前には3万トンが漁獲されていた。『フジッコ』執行役員コア事業本部 昆布事業部長 の紀井孝之氏はこう語る。  

 

「当時は天然もので2.7万t、養殖が5600tと言われていました。ですが、海水温の上昇で生態系の変化が起き、昨年は天然が1.2万t、今年は1.1万tとどんどん減少しています。

 

さらに深刻なのは、漁業者の高齢化と後継ぎ問題。昆布は水揚げ後、漁師さんたちの手作業で1本ずつ丁寧に伸ばされて乾燥させるのですが、実は水を含んだ昆布は非常に重い。

 

 中腰で行う作業は体、特に腰を痛める原因にもなっており、高齢の漁師さんに跡継ぎがいない場合は廃業していくしかないのです」  

 

北海道の漁業といえば過酷なイメージもあるなか、メディアなどでは「ホタテやカニ漁は御殿が建つほど儲かる」と取り上げられることもある。

 

だが、昆布漁は漁師の負担が大きいわりに、決してドル箱産業ではないのだそうだ。重労働のうえに儲からない。さまざまな第一次産業でも同じことが言えるが、これでは後継者不足が進むのも自然な流れだろう。

 

  では、国内の生産量が減少して解決策もないのであれば、輸入に頼るのはどうか。部外者は安直にそう考えてしまうが、しかしここでも問題があるという。 

 

 「昆布は輸入割当て(IQ商品)対象水産物です。中国からある程度の輸入もあるのですが、その枠には制限があります。IQ商品制度は国内産業の保護が目的であり、昆布でいえば日本の昆布漁業界、漁業者を守るための制度ですね。ですから、国内がダメなら輸入で…と簡単にはいかないのが現状です」

 

■ごはんのお供だけじゃない、和食文化全体が影響受ける可能性も

昆布生産量も生産者数も激減

 このように、危機的な状況にある昆布漁。これを少しでも回避するため、同社では漁業者の重労働の一つである乾燥工程を省くことはできないかと考えた。  「従来の乾燥昆布ではなく、乾燥工程を省いた“生昆布”を使った商品をこの3月から発売しました。水揚げ後に乾燥させることなく工場に持ち込んでもらい、そこで洗浄と選別、切断、冷凍保管するのです。これにより、漁業者さんの負荷はかなり軽減されると考えています」  このような取り組みに乗り出したのも、同社が「和食の伝統を受け継いでいかなければ」という使命感があるからだ。『フジッコ』といえば、昆布だけではなく『丹波黒豆』などの豆商品も販売。 家庭の中心だった和食に深く携わってきた。現代における食の多様化は悪いことではないが、さらに昆布業界までが衰退すれば、加速度的に和食文化は失われてしまう。ごはんのお供としての佃煮だけではなく、だしを取るという和食文化全体が影響を受けるかもしれない。 ■利益度外視の“生昆布”事業、コストかさむも「昆布業界を守る第一歩」  今後を見据えた第一歩として始めたのがこの“生昆布”事業だが、実は多くの課題を抱えてもいる。一つはコスト面だ。生昆布は“生”であるがゆえに取り扱いが難しく、通常の乾燥昆布と比べて輸送費などのコストも多くかかる。  「でも、生昆布を使用した『ふじっ子煮MIRAI(ミライ)』シリーズは、乾燥昆布を用いた商品と比べてもお値段据え置き。現状は利益度外視なんですよ(笑)。よく『儲かるからやっているのでは?』と聞かれますが、そんなことはまったくないです。昆布業界に深刻な危機感を持っているからこその取り組みです」  とりあえず、3月の売上目標は クリア。流通事業者からは、SDGs的な観点でも評価を受けており、実際に店頭に並ぶ機会も増えている。とはいえ、消費者にとってみれば、乾燥だろうと生だろうと好きなものを購入するだけだ。生昆布を使っているから、SDGsだからと購入する人はまだまだ少数。和食の未来のために利益度外視で…との同社の目的は崇高ではあるが、エンドユーザーにしっかり認知してもらうことも重要だ。  ちなみに、和食のキモであるだし用には乾燥昆布の方が向いているそうで、“生昆布”ですべてが解決できるわけでもない。乾燥昆布自体の消費量も年々下がっているが、だし文化は世界で注目されていることもあり、まだまだ諦める気はない。  「昆布 佃煮のシェア50%の我々が伸びていけば、市場全体も上がっていくと思っています。まずは生昆布事業を成功させ、次に乾燥昆布でも別のやり方を模索していきたい。現在は昆布業界を守る第一歩を歩み始めたばかりです」

 

■「ただ原料を仕入れて売る時代は終わり」、生産者側に踏み込む企業

ふじっ子煮MIRAI おやさい生昆布

 「かつては、企業はとにかく儲けることが美徳でしたし、消費者もただ消費していくことが当たり前でした。ですが、今後を考えるとそれでは持続が難しく、消費者側の考えも変わりつつあります。企業も、ただ原料を仕入れて売るという時代は終わり、さらにもう一歩、生産側に踏み込まないといけない。先を見据えて物事を転換する際には、生産者個人単位でやるよりも、企業が入ったほうが早く、大きく動くことができます。すでにそういう時代に入っているのでしょう」  生産者の高齢化や跡継ぎ問題、若者のホワイトカラー志向、自然環境の変化による影響。これらの問題は昆布業界にとどまらず、第一次産業とそれに関わる企業に突きつけられた命題ともいえる。日本の礎ともいえる第一次産業を守るために、企業は何をすべきか。この“生昆布”事業が、昆布の、ひいては和食の危機を救う一助となるのか。今後の展開を注視したい。 (文:衣輪晋一)