子が生まれて、スイスとの繋がりが少しできたような気がしている私です。
それまではなかったの?と言われると、ほぼなかったのかもしれません。
ここでいうのは、家族、親戚や友人がいる繋がりでなくて、精神的な繋がりです。
我が子にとってスイスは、放っておいても故郷、育った土地、自分のルーツとなるんですから、我が子の居場所=私の居場所という、間接的な繋がりを見い出しはじめました。
スイスはとても暮らしやすい国です。
ただ、いまでもここは頑張る場所の位置付けです。
それに今は子育ての観点からもスイスに暮らす選択。
別に何にも悩んでなどいませんが、こんな話を誰かにすると「好きで来たんでしょ」と根も歯もないアドバイスでもないシャッターガラガラ〜会話強制終了なことを言われたりするんですが、選択というものの背景にはその人の考えがあるんですからね。
それはさておき、子供が生まれてからますます日本に帰りたい気持ちが強くなっています。

それは、自分の親と離れていることに尽きます。
我が子が誕生したことを伝えた時、泣いた母。
自分のことを思って涙を流してくれる人は、パートナーと日本にいる自分の家族くらいです。
今は便利な時代でビデオ通話も無料でできるけど、やはり直接手で触れて目を合わせるのとは大違いです。
笑いが止まらず途切れない会話。
何でも言える気苦労を一切しない間柄。
いつも新しい目線をくれる斬新な見方。
もう全てが恋しすぎる。
ビデオ通話がなかったら、私は寂しさから精神を病んでいるでしょう。
これは、こちらでどれだけの交流関係があっても自分の中に存在する気持ちなのだと思います。
週末、雨でしたね。
パートナーが不在だったので出かけたい私は義母を誘ってカフェに行きました。
正直、つまらない。
孫との時間を持たせてあげるためだけにある時間に感じた。
言葉の問題じゃないよ。
つまらないなら面白くすればいい、自分が話せばいいと思うかもしれませんが、仕事でないプライベートではそんなこと頑張りたくない。
私は求められれば割とずーっと喋っていられるタイプではありますが、たった数回の付き合いならともかく、しょっちゅう会う人間に対してそんなことしてると疲れるし、わざと面白くするのも疲れます。
話の引き出しは探せばありますが、日本にいる家族のようにはいかない。
こちらの家族といると自分の家族が恋しくなる。
我が子を腕に抱いて欲しい、話しかけて欲しい、目を見合わせて笑って欲しい・・・募る。
文化の違いによる部分も大きいと思うけど、会話のやりとりもトンチンカンだったりして、「そうじゃないんよな〜」と思うこともしばしば。
合わせることをしなくなり、自由なそのままの私がいる証拠なのですが。
それから産後、仕事再開しました!
私はかなり自由度の高い働き方なので復帰しましたが、毎日朝から晩まで拘束される仕事だったら大変。
まだ生後3ヶ月の子供を置いて仕事に行くことになりますから、大きな決断です。
産後、実際に我が子がそばにいると仕事に戻りたい気などこれっぽっちも芽生えませんでしたが、行くとかなりのリフレッシュになります。
家庭人としての私だけでなく、社会的に必要とされるのもかなり重要。
マズローの自己実現論で、海外で暮らす私にとっては自己実現は必須です。
それも、近くに手伝ってくれる人がいなければ復帰などできないのですが現状ですが、今時出産で仕事を諦めなければならないなんて、かなり時代遅れです。
働く女性が重要な労働力になっているというのに、出産という節目を迎えて辞める・辞めないの選択を迫られる。
フランスでもドイツでも日本と似たような育休があるのに、スイスでは母親に選択肢がない。
仕事量を減らして戻るパターンもあるのでしょうが、実際は厳しいんじゃないのかな。
私の周りでは、祖父母の助けが得られなくてなくなく辞めた人がいます。
だから、ベビーカーを押す祖父母を本当によく見る。
スイスには産後16週程度の産休しか用意されていません。
日本のように、生まれる前の6週間前から産休開始、生まれた後もそのまま1〜2年間の育休に突入なんて、スイスでは夢物語。
Die Schweiz ist nicht familienfreundlich.
(スイスは家族にやさしくない)
とこちらの従兄弟が言ってましたが、その通りですね。
子が生まれてから、スイスでの存在意義を改めて考えさせられてます。

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