土曜日。
私たちは友人に招待され、出かけていた。
彼の友達でもない、私が作った友達だ。
まだまだ、日本の友達のように…とはいかないけど、
おそらく他の誰よりも、回数的にも会っていると思う。
友達2人とそのパートナーなので、3カップル揃った。
ここも嬉しいポイント。
やはり、2人だと、寂しい。
けど、4人だと、2人ずつに別れても悲しい。
実は私にはずーっと前々から、漠然と思い描いていたことがあった。
まだ結婚とか、その相手とか、具体的なことは抜きにした時から。
それは、もし、自分が結婚して、友達も結婚したりしたら、
そのパートナーも含めて、家族ぐるみで遊んだりしたいな、ということ。
もうすぐ三十路。
やはり、想像力だけは、立派だった。
昨年、私の古くからの日本の友人も結婚した。
けど、私は、スイスへ来てしまったために、もうこの漠然とした憧れも、
叶えることができないのかな、と思っていた。
距離が離れると、会う機会も減る。
長い付き合いなので、離れたくないしまた、離れていくことも無いけど、
やはり、一緒にいろんな所へ出かけたり出来なくなるのが現実…
日本なら、すべてが簡単だ。
友達も家族もいるし、仕事だって見つけられる。
けど、スイスへ来た。
実をいうと、こんな年になってから、仲の良い友達なんて、もう出来ない…
と、諦めていた。
土曜日に会った人たちと、これからどうなるか分からないけど、
そういう、家族ぐるみの付き合いが出来るかもしれないと、希望が生まれた。
近しい友達ができることを諦めていたから、土曜日、こんなことを言われて、
すっごくすごく、嬉しかった。
「誕生日いつなの?じゃあ、一緒にお祝いしましょー!」
もうすぐ訪れる私の誕生日を一緒に祝おうと、提案してくれた。
正直、嬉し過ぎて、心で泣いた。
ここスイスでは、スイス人パートナーやその家族以外では、
誕生日を祝ってくれる友達なんてもう、出来やしないと諦めていたから…
だから、本当に嬉しかった。
「別に、友達なんて作るの簡単でしょ?
日本人だって、いっぱいいるでしょうが。」
と思われるかもしれないが、ポイントはそこではない。
確かに、表面的な付き合いなら、なんぼでも出来ると思う。
出会う人すべてに、それなりに対応していればいいんですから。
けど、そんなの、友達じゃないでしょ。
友達っていうのは、共感したり、本当に相手のことを心配したり、
喜怒哀楽を分かち合ったりしながら、共に成長していくものだと私は思う。
私はそれほど、積極的なタイプではない。
どちらかというと、受け身です。
それに、そんなに簡単に心をひらくタイプではないんです。
よく考えるタイプではあるけど、人を見る時は、直感で見ている。
この人と友達になりたいと思ってはじめて、連絡先を自分から聞く。
振り返ってみるに、私を取り囲む友人たちはみな、同じ雰囲気を持っている。
全くもって、不思議なものです。
ようやくスイスにも、春、というか、夏が来たようです。
昨日は、雲一つない、快晴。
本日も、晴れてます!