15年前。
我々は何者でもなかったよねー。
片や所詮学生プロレスの時期だけ目立てる程度の留年確定の3回生。
片やアマレス部の大会が終わってから他大学のプロ研に入ってきた4回生。
あの時はお互いこんなになるとは思わないよねー。
別に、ノスタルジックな気持ちは何一つない。
いや、マジで。
まあ、無策ですよねおっしゃる通り。
あの頃っつったって
試合したことないからね。
枚方ビブレの売り興行の時に
枚方ビブレマンとしてマスクかぶって試合した
しかもタッグマッチで当たっただけだよねー。
その試合、確か枚方ビブレマン風邪引いてて
タッチ権ないときにリング下でリバースしたよね。
確かマスク脱いで。
そのことしか覚えてないよね実際。
あの頃はその日その日が楽しくて
試合の時は昼休みの通りすがりのチャラい学生の足を
どうやったら止められるんだろうと
めちゃくちゃ真剣に考えたよね。
当時マトリックスが流行ってて
試合中にその筋の方がぶっ放した弾丸が
スローになってマトリックス風に弾丸をよける
ってネタをやってみたら信じられないくらい滑ったよね。
枚方ビブレかどうかは忘れたけど
正月にどこかでやった試合で
おじいちゃん対孫
ってやつを後輩たちがやってて
おじいちゃんのメイクとか顔のシワを書くのに精いっぱいで
入場曲鳴ってから
「あ、ネタがないけどどうしよう」
つってヨボヨボしながらおじいちゃん入場しに控室出てって
信じられないくらいの静寂の10分後に
おじいちゃんがしっかりとした足取りで控室入ってきて
「どうだった?」
って聞いたら
「んなもんネタがないんだからウケるわけないでしょうが」
つって逆ギレされたよね。
それが今でいうキアイリュケンエッちゃんだよね。
よくそんな武器のない丸腰でネタ試合に挑んでいったよね。
逆にお客さんの反応がまるでない中、よく10分間もその場にいられたよね。
たぶん、お正月だから孫がおじいちゃんにお年玉をせがむ
っていうただその絵だけでイケると思ったんだろうねエッちゃん。
昔からそういう見通しの甘いところあったよね。
あの頃の僕は、元気ですよ。記憶の中で。
あの頃の僕は、20kg分筋肉ではない肉でコーティングされてるんですよ。
あの頃の僕の牙は抜けて、
もっと違うものを噛み千切るための牙に生え変わってるのですよ。
それで強くなってるのかどうかは知らん。
面白くなってるかどうかも知らん。
安心しなさいな。
最近も最前列の女性のお客さんの脳天を唐竹割ったら
後で抗議のメールが会社にきましたよ。
15年前も今も細かく謝らされてばっかりですよ。
サインにちんちんって書いたら
後で抗議のメールが会社に来てますよ。
そして、私は人気投票で一位になったわけではないのですよ。
それもあの時と同じ。
私がやってることに対して多少の人気があるだけ。
私個人にはなーんも。
あの頃の僕と同じものがあるとすれば、
具体的な人気はあんまりないって事。
別に構わない。
私個人がちやほやされようとは思っちゃいない。
ただの強がりだけどね。
私がやってることに対して足を止めてくれれば目を留めてくれれば
それでいい。
チャラい兄ちゃんとケバい姉ちゃんが
「プロレスのあのホモのやつヨゴレやん」
って授業中に本人後ろにいるのに言ってれば
それで十分。
僕らのプライドの収納場所は君らの持つ場所にはないのです。
マトリックス滑ったのは傷ついたけど。
さあ、どうしたもんかね。
あの頃の自分には戻れない。
私は、18年間男色ディーノをやり続けてしまった。
もうね、引っ込みがつかないくらいBETしてしまったわけです。
15年前、何者でもなかったあの頃の僕と君。
お互い、賭けには勝ったのかね?
私はこれから回収に入るよ。
私は何者かになる。
BETも止めないけどな。
男色ディーノ CAME BACK TO THE OSAKAFURITSUTAIIKUKAN!
用意はいいですか?
では月曜日にお会いしましょう15年前のクソガキども。