携帯の着メロが鳴る。
画面を見ても、番号には名前は記されていない。
つまり、電話に登録していない番号からだった。
首をかしげながらも電話に出る。
「あ、もしもし…」
女性からだった。どうやら、間違い電話のようだ。
ちょっとしたやり取りの後、電話を切った。
しばらくして、再び電話が鳴る。
さっきの番号からだった。
「もしもし」
ちょっとした沈黙。
なぜか気を遣いながら相手の女性に問いかける。
「どうかしましたか?」
またしても、沈黙。
20秒ほどあっただろうか、
どうしていいのかわからない沈黙の後、彼女が口を開く。
「少し…お話してもいいですか?」
こうして、よくわからないまま、
1時間ほど電話で彼女と話をした。
話をしていくにつれ、
彼女の口から素性があきらかになっていった。
年齢が25であること、
ここから3駅ほどの距離で一人暮らしをしていること、
大学を出た後、看護の専門学校に通い
今年卒業したばかりだということ、
今はフリーターであること、
そして、最近彼氏にフラれたらしいこと。
…ここまではよかった。
偶然にも、電話相手ができた。
それで終わるはずだった。
だが、電話の最後に放った彼女の一言が
終わりを終わりにしなかった。
「今度会えませんか?」
俺はどうしたらいいんだろう。
どう答えればいいんだろう。
…っていう相談を後輩にされたんだけど
どうすればよろしかろうか諸君?
とりあえず私は面白そうだから会っとけとは言ったのだが。
で、金銭の話になったらまた相談しろ、と。
今日のケツ論:電話男…とか…言ってみたり