つりぼり十番勝負《カナダ編》③
あ、……嗚呼っ!
感じる。
ヴィクン、ヴィクン…感じる。
先っぽを這う………
その口の刺激………
目をつぶっても感じるんだ…………
お魚のお口を。
「感釣り座頭市」になるべく「ニュー・タックル」(新しい釣り道具)で向う「釣りキチ五平」のわたくし。
糸の先のルアーをお口で弄ぶ魚の細かいアタリを感じる事が出来ます。
それでもまだ釣果には結びついてはいませんでしたが……。
「いやいや。活性は良さそうですな!「感じ」ますものっ!」
「釣りキチ三平師匠」こと『パックン』(携帯を新しく変えたは良いが、機械に弱い上、取扱説明書を読むのも大嫌いと言い放ち「やり方が良く分かんねえよ!」とプチギレをみせる「荒フォー」)は、
「は…はあ……感じるの……?」
とわたくしの提唱する「感釣り」には同調する気は全くないようです。
しかしながら「ヴィン感」と化したわたくしのニュータックルはお魚を刺激し続けるのでした。
迫り来る低気圧(台風)に恐怖と期待を込めて………
やはりこの天気と明け方の地震からか、釣人は少なく、今この池にいるのはわたくし五平と三平師匠のみ………。
少ないプレッシャーで爆釣間違いなしと雨振るなか、何度となく竿を振り続けるのでした。
ファーストフィッシュは三平師匠。
スプーン(ルアーの一種)の釣りを早々あきらめてプラグ(ルアーの一種)でのキャッチです。
「ちっちゃい………。」
フフフ。
まあそれでも良いじゃあありませんか。
こっちは「ヴィン感・感釣り」、嵐の通過前にこの後の爆釣を待ち、この刺激を楽しもうではありませんか!
余裕を持って三平師匠のファーストキャッチを見届けるわたくしに雨は次第にその雨脚を変化させて行くのでした。
《つづく》
つりぼり十番勝負《カナダ編》②
到着と同時にカッパを装着です。
何度か来た事のある「カナダ」こと管理釣り場「KF」ですが、これ程までに車の少ないのは見た事ありません。
それもそのはず。
台風の接近と、地震に見舞われ、普通の人は釣りなんぞする訳ありません。
しかしながら我等「釣りキチ○イ」、「釣りキチ五平」のわたくしと「釣りキチ三平」の『パックン』(携帯の画面が薄いと携帯をいぢくると画面が緑色になり、更に激しくいぢくって携帯を真っ二つにした『荒フォー』)の「中2の衝動」は止どまる事を知らない時の中(byミスチル)なのでした。
いざポンド(池)に向うと三平師匠がお出迎えです。
「活性高いと言っときながら………釣れてねぇ(笑)」
おっといきなりの泣きを見せました。
「いやいや。低気圧(台風だけど)接近中ですよ。イケますって!」
低気圧の接近はお魚の食い気が上がり、釣果が上がるのは釣りのセオリー。
これからと気持ちを鼓舞しキャスティング(ルアーを投込む事)に入りました。
何故にこれ程までに今日の釣りにこだわるか…………。
限り無く激しい「土下座」でわたくしは「マイ・ワイフ」、『ジャイ子』
を陥落し、「ニュー・リール」を手にしていたのです。
そして「管釣り」ならぬ「感釣り」を実行し、「感釣り・座頭市」のデビューを華々しく飾る為、糸を今までとは違う、感度良好なものに変えてこの日を待ちに待っていたのです。
「釣れぬなら 感じてみせるぜ 座頭市」
池のほとりに立ち、一句詠んでいざ爆釣の果てしない闇の向こうへ、うぉううぉう手を伸ばす(byミスチル)のでした。
《つづく》
つりぼり十番勝負《カナダ編》①
『現・釣りキチ三平タイトル・ホルダー』にして『嵐を呼ぶ男』、『バックン』(携帯電話が二つに「モゲる」と言う怪奇現象に襲われた40歳)の力を甘んじていました。
日本列島のすぐ近くで台風を生み出すだけに止どまらず、明け方に「地震」までも呼んでしまったようです。
計画していた渓流形管理釣り場「F」での「つりぼり十番勝負」はもちろん中止、大型ニジマスの狙える管理釣り場「S」も候補に上がりましたが地震の影響で東名自動車道は通行止め。
もうわたくし達に選択肢は無く、別名「カナダ」
管理釣り場「KF」への釣行と決定しました。
しかしながら台風は接近中、どうなるか分かりませんでしたが、「釣りキチ○イ」の名の元に止まらない熱い釣りへの衝動。
取りあえず行ってやると意見が一致しました。
所用があったわたくし「釣りキチ五平」(もうこうなると「釣りキチ」には間違いない)は1時間半ほど三平師匠に遅れて入場する運びになったのです。
管理釣り場の入場が始まる少し前、三平師匠から電話がありました。
「活性高そう(魚の食い付きが良い事)だよ。今んとこ釣りできそうだ。」
との事。
いざ台風が直撃したらその「カナダ」風の建物に避難しようと話し合い決行する事にしました。
向う車中のフロントガラスを叩く雨は激しさを増して行くのでした………
釣りできるのか……………?
《つづく》
