IRON MAIDENのジャケ画をデビュー作から担当し、エディを生み出したことで知られるイラストレーター、デレク・リッグス、彼がメイデン以外のジャケを手掛けたことで話題になった。

 

 

DESTINY

 

 

スウェーデン、イエテボリ出身、80年にシュテファン・ビヨルンショーグ(B)、マグナス・エステルマン(G)が中心となって結成される。当初はHEXAGONと名乗っていたがすぐDESTINYに変更。デモ制作、メンバーチェンジを経て85年にデビューアルバム「BEYOND ALL SENSE」を発表。

再びメンバーチェンジが勃発、マグナスがいなくなりNew G、New Voを迎えドイツのU.S. METAL RECORDSと契約、88年の2nd。

 

ATOMIC WINTER

 

 

このジャケをデレクが手掛けた。メイデン専属だと思われていたから(実際はそうでもなかったのだが)当時ちょっとだけ話題になった。

NWOBHM型初期北欧メタルをパワーメタル化したような、TORCHをもっと大仰でヨーロピアンな正統派に寄せた感じ、美旋律やメロハーとか一般的な北欧のイメージとは違う重厚さに本格派メタルの気概を感じる。Voもディッキンソンっぽい、と言うよりブリッツっぽい、あそこまでの狂気はないけど。

各曲で聴けるギターソロも素晴らしい、伝統的なMAIDENやJUDASとかの王道路線、それを退屈に思うなら無理してメタル聴かなくていいよ。どの曲がいいとか特筆する部分はなくても長年HR/HM聴いてる者なら劇的展開のスリルとか古さの中に滲み出る味わい深さが分かるはず、それぐらい古典メタル。最新のメタルに比べたら死ぬほどダサい。

 

 

Gのフロイド・コンスタンティンは以前、KING DIAMONDやGEISHAに在籍していたことがあるそう。

 

新たにACTIVE RECORDSと契約、91年の3rd。

 

NOTHING LEFT TO FEAR

 

 

またも大幅なメンバーチェンジ、オリジナルメンバーであるシュテファンと2ndから参加のVo、ゼニー・ハンソン以外いなくなった。新たにGを加えて正式メンバーは3人、DrとKeyはセッションメンバー、でもそのDrは1st2ndで叩いていたピーター・ラングレン。レコーディングして辞めたのか、辞めてからゲストとして参加したのか。

メンバーが替わってもやってることは基本的に同じ、正統派であり伝統的なメタル、全体的にダークでシアトリカルと言っていいほど大仰なパワーメタル、今回はパワーよりも凝った曲構成を優先した感じ。

こうなるとDESTINYを代表する1曲が欲しい。でないと単に真面目で地味、で終わってしまう。完成度は高いがフックに乏しくて、そう言う意味では2ndより下がる。

 

 

アルバム発表後、SAVATAGEの前座でアメリカツアーを行う。

 

その後もメンバーチェンジが絶えず活動停止を繰り返し、98年にようやく4thアルバムを発表。

 

THE UNDISCOVERED COUNTRY

 

 

地元イエテボリのレーベル、GOTHENBURG NOISEWORKS(GNW)から発売、弱小レーベルの割には今でも安価で中古を見掛ける。

メンバーが替わっても方向性は変わらない、シュテファンの信念がDESTINIYの音楽性そのものとして成り立っている証拠。エピックメタルと言っていいほどこってりした大げさなメタル。

そんな大作志向なのに良いメロディとか耳を惹くフックとかスリルとかが一切感じられない、曲も無駄に長い。3rd同様最低ではないけど凝りすぎてて結構退屈、良いと思える曲がない。やはりストレートでパワー感溢れる2ndが一番良かった。

 

 

このアルバムを最後にVoのゼニーも脱退。

 

そしてずっと活動していたのか解散していたのか不明ながら6年後の2004年に5th「FUTURE OF THE PAST」、翌2005年には1stの再録音盤「BEYOND ALL SENSE 2005」を発表、2016年にも新作「CLIMATE CHANGE」で健在をアピール、現在も活動中。オリジナルメンバーはシュテファンのみ。

 

 

"Bermuda"

 

"Who Am I"

 

"Religion"

 

"The Extreme Unction"

 

"Nothing Left To Fear"

 

"Rest In Peace"

 

"The Devil On The Dark"