最近メタネタで書いたHSASなどでも知られる大物ギタリストのニューバンドということで、細かいこと書く必要ないほど日本でも有名なバンド。

 

 

HARDLINE

 

 

BAD ENGLISHを脱退した元JOURNEYのニール・ショーン(G)が盟友、元WILD DOGSのディーン・カストロノヴォ(Dr)と共に、元BRUNETTEのジョニー(Vo)とジョーイ(G)のジョエリ兄弟、デイヴ・リー・ロスバンドのツアーメンバーだったトッド・ジェンセン(B)らと組んだのがこのHARDLINE、ニールの名もあってメジャーMCAからデビュー、92年の1st。

 

DOUBLE ECLIPSE

 

 

80年代半ばに主流だったアメリカンメロディアスハード、やや時代遅れながら、いやこういうのはいつの時代もあって欲しい、決してポップではなく熱いロックを聴かせる。

BAD ENGLISHがソフトになりすぎたため脱退しもっとハードなロックを求めたニール、確かにBAD ENGLISHよりはハードエッジな中期LAメタル系の音楽性。どこにでもいそうな王道タイプではあるが、どの曲もベテランニールの凄みでそこらの新人バンドとは比較にならない完成度。ゴージャスな一流アリーナロックを楽しめる。

 

 

“Hot Cherie” がシングルカットされ、PVも制作された。

この曲が超弩級、当時何回聴いたかわからないほど聴きまくった。ニールのツボを抑えた懐の深いギター、ディーンの凄腕を封じたシンプルで重みのあるドラム、そして何よりジョニーの熱いVoによってあらゆる要素が結晶化したような必殺の名曲となった。

メロハー史に残る問答無用の強力曲。アルバム全体の品質も高くどの曲も一流ではあるが、この曲が良すぎて他が霞んでしまうほど。

 

 

アルバムは好評、MR. BIGやEXTREMEらとツアーを行い来日の計画もあったが92年末に早くも解散、あまりにも短命に終わった。時代的に契約を失いニールが他プロジェクトを開始、そしてJOURNEYに復帰したためとされる。

2000年代以降、ジョニーを中心に何度か再結成されアルバムも発表しているようだが、ニール時代以上に話題になったという話は聞いたことがない。

 

 

個人的にHARDLINEは “Hot Cherie” に尽きる。他の曲覚えてないぐらいだし、ましてや再結成後など全く興味ない。

 

ただし実は “Hot Cherie” はオリジナル曲ではなく、ダニー・スパノスのカヴァーであることを後に知る。(ジョエリ兄弟がHARDLINE以前からやっていた)

しかも大元はカナダのSTREETHEARTというバンドのメンバーによる曲で、84年に彼ら自身もアルバムに収録している。曲自体がいいからどちらのヴァージョンもとてもいい。

でもやはりHARDLINEヴァージョンが一番、80年代なビッグサウンドと分厚いコーラスの緻密なアレンジによってドラマティックさや緊張感が段違い。

最初に聴いたのがこれだったというのもあるだろうけど。

 

傑作でありながら中古盤で大量に見かける。

今でも300円ほどで買える。

 

 

"Rhythm From A Red Car"

 

"Everything"

 

“Hot Cherie”