元MANOWARのロス・ザ・ボス、TWISTED SISTERのマーク "THE ANIMAL" メンドーザが在籍していたことで有名なニューヨークのTHE DICTATORS。
70年代後半に登場したハードロックバンド(当時はパンクの一派として知られていた)、日本盤が出てたほど世界的に名を売ったが、3枚のアルバムを残して解散。
そんな彼らが90年、MANITOBA'S WILD KINGDOMの名で再結成される。


MANITOBA'S WILD KINGDOM


THE DICTATORS時代と全く同じ、NWOBHM勃発以前のアメリカンロック、時代的にはAEROSMITHやKISSなんかとほぼ同時期で、音楽的にはTWISTED SISTERなんかにかなり近い。ポップでパンキッシュ、キャッチーで軽快、この前のSHAKIN' STREETにも近い音楽性。そういえばSHAKIN' STREETはフランスなのに、やけにNYっぽい印象を持ったバンドだった。これらのバンドは音楽的に共通点があるよ。


...AND YOU? 


90年のアルバム。細かいカテゴライズなど無意味で、メタルもパンクも関係ない。とにかくR&R。そういう意味ではMOTÖRHEADに通じる感覚もある。
2~3分の短くて潔い曲が連発、そこに適度なメロディがあってなんとも心地良い。笑顔とパワーをもらえるような元気さを感じるね。5曲目の "I Want You, Tonight!" が良い曲すぎて泣ける。なんか可愛い曲。
声が似てるからアリス・クーパーっぽさもある。

この再結成時にマーク・メンドーザはいない。でもロス・ザ・ボスはちゃんといる。
ちなみにバンド名に付いているMANITOBAとは、Voのハンサム・ディック・マニトバのことだ。



メタルだけに固執しないロック好きにお勧めする。下手なメタルバンドよりよっぽどハードだしね。パンクなハチャメチャさはあるが、だらしなさは全く無くカッチリしてるからメタル好きにも十分楽しめる。曲によってはパワーメタル並に激しい。



このMANITOBA'S WILD KINGDOMやTHE DICTATORS、SHAKIN' STREET、あるいはHEYDAYなんかを聴いてると(いずれもロス・ザ・ボスの在籍したバンド)彼は元々R&Rな感覚を持ったギタリストで、初期MANOWARにはピッタリだったが、徐々にバンドがメタルの権化的イメージを打ち出して、曲風も大作指向になっていくのに自分のスタイルがだんだん合わなくなってロスは辞めたのではないだろうか?そんな気がする。



"New York, New York"

 

"I Want You, Tonight!"


"Fired Up"


"The Party Starts Now"
 

 

And You And You
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