続き。

アメリカ進出にあたってウドのVoでは弱いと判断され、彼はクビになる。

accept12

ルックス面の問題もあったのだろう、自ら身を引いたとも言われている。
Vo探しは難航、その混乱の中、今度はGのヨルグ・フィッシャーがバンドを去る。
イギリスの元BABY TUCKOOのロブ・アーミテージを加入させるもすぐに脱退、オーディションの結果、アメリカ人のデヴィッド・リースにようやく決まった。

激動の3年を経て、注目の8th「EAT THE HEAT」がついに発表された。


EAT THE HEAT


作品自体の質は悪くなかったが、今までのACCEPTのイメージと大きく異なるそのアルバムはアメリカ進出に失敗するだけでなく日本での人気さえも失ってしまった。
さらに典型的なアメリカ人、デイヴ・リー・ロス型のVoのデヴィッド・リースは生真面目なドイツ人メンバーとことごとく衝突、殴り合いの末、追い出されてしまう。
デヴィッドはACCEPTのロゴのTATTOOまで腕に入れていたのだが。。

そして解散。メタル史に名を残したドイツ最強のメタルバンドACCEPTはこうしてあまりにもあっけない悲惨な最期を遂げる。後に何度か再結成されていたが全盛期を越えることはなかった。

その精神はウド・ダークシュナイダーのバンド、U.D.O.によって現在も受け継がれている。

udo


レコードを漁ってたら、こんなのも出てきた。
初期のデジタルリミックスベスト。


HUNGRY YEARS


こっちはメトロノーム時代のベスト。
つまり3rdまでの曲のベストアルバム。


BEST OF ACCEPT


GULLレコードがやったJUDAS初期2枚のベストみたいに、その時代の曲だけで無理やり組んだベストアルバム。

ACCEPTに関してはここここでも書いている。
こんなことも書いてるな。


"X-T-C"


"Generation Clash"


EAT THE HEATEAT THE HEAT
840円
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HUNGRY YEARSHUNGRY YEARS
1,048円
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追記:
バンドの顔であったウドをクビにしてまでアメリカで売れたかったACCEPT、New Voデイヴィッドを迎えた「EAT THE HEAT」も内容は悪くない、別バンドと考えたら充実した作品、ただ過去を完全に捨て去るでもなく、でも今までと同じでもない、連続する時代の「BALLS TO THE WALL」や「METAL HEART」、「RUSSIAN ROULETTE」がACCEPTを代表する名盤だったこともあるかもしれない、この中途半端さが古くからのファンの不評を買い新規ファンを掴むこともなく、結果的にアメリカ進出失敗となったのではないかと思う。
結局この後すぐに解散、3年後ウドを戻して再結成、93年の9thアルバム「OBJECTION OVERRULED」はとても良かった、


OBJECTION OVERRULED


原点回帰、売れ線狙いの要素、流行りの新しい要素を排し全盛期のACCEPT教科書に沿った好盤。懐かしさの喜びによって評価が増幅されて、内容自体は全盛期を超えてはいない気もするけど。興奮というより安心感。
ある意味、自らのパロディ。”I Don’t Wanna Be Like You” はやりすぎ、でも嬉しくなるみたいな。

94年の10th。


DEATH ROW


前作がウケて調子に乗ったのか再結成第2弾が完全に時流に乗った強烈な駄盤、「EAT THE HEAT」など問題にならないほどオリジナリティを捨て去ってグルーヴメタルみたいになっちゃって、ウドがいようがいまいが関係ない、ここでACCEPTを追いかけるのを辞めたほど。この世で一番好きなバンドだったこともあるにも関わらず。(と言うよりACCEPT関係なくこの時代から新譜を買うのをやめた)

。。と当時は思った。改めて聴いたらそこまで酷くない、決してらしさは失われていない。流行りのグルーヴ感も味付け程度、アルバムタイトル曲でありオープニングの “Death Row” が一番それっぽいつまらん曲だからそう思ってしまう、曲順変えたらそんなに以前のACCEPTと変わらない、硬質なメタル。
ただ曲がいまいちで昔のようなスリルとか感動がない。”Bad Religion” はいいね。

なぜ10年以上の時を経て続きを書く気になったか。この時代唯一持ってなかった「PREDATOR」を買ったから。693円。安価でいくらでも転がってる。
96年の11thアルバム。


PREDATOR


当時聴かなかった、今回初めて聴いて先入観がないおかげか悪くない。「EAT THE HEAT」はともかく、前作やこのアルバムはウドが歌ってるからかどう聴いてもACCEPT、らしさ満載。
そりゃ全盛期である「BALLS TO THE WALL」や「METAL HEART」、「RUSSIAN ROULETTE」あたりと比べると違うけど、今聴いたらこれも完全にACCEPT、最高の名曲はないかもしれないしグルーヴ感に寄せた違うタイプの曲もある、でもこれはやはりACCEPT、決して酷評されるような悪い作品ではない。(ピーターが歌う曲が3曲もあったりしてバンドの内情がどうだったかはともかく)
ACCEPTには元々こういう側面もあった、古くからのファンは ”Fast As A Shark” や “T.V. War” などの曲は名曲であり代表曲であっても少々特殊な曲であることを知っている。鋼鉄パワーメタルだけではない、ダークな曲やヘヴィな曲、軽快な曲やポップな曲、バラードも、幅広い音楽性を持つバンドであることを知っている。傑作ではないが良作。
「DEATH ROW」も「PREDATOR」も再評価されるべき。



そしてマークを迎えてその2枚を吹き飛ばすような快作「BLOOD OF THE NATIONS」までは覚えてる。以降は追いかけてないから知らない、今どうなってるかも知らない。



“Objection Overruled”


“Sick, Dirty And Mean”


“This One”s For You”


“Bad Religion”


“Crucified”