速弾きギタリストレーベルとして有名なSHRAPNEL RECORDS。トニー・マカパインのころからだったかギターインスト物を数多く発売しシュレッダブームを牽引していくのだが、設立当初は普通のメタルバンドも出していて、あのLAメタル人脈の中心バンドSTEELERやクリフ・バートンがいたことで有名なTRAUMA、ディーン・カストロノヴォのいたWILD DOGS、マーティ・フリードマンのHAWAIIも1stはSHRAPNEL。カナダのEXCITERなんかも1stはここから出ている。


HEXX


サンフランシスコで83年に結成されたこのHEXXもSHRAPNELだった。84年の1st「NO ESCAPE」はBURRN!のレヴューで有名。


NO ESCAPE


「以下余白はその悲惨なバンドに捧げる」のあのバンド。
ヨーロッパ型のごく普通のUS正統派メタル。改めて聴いたらTRAUMAとの共通点を感じる。そこまで良くはないが。



86年の2nd。


UNDER THE SPELL


Voを替えGを加えて同じくSHRAPNELからの発売。
全てにおいて上がっている。もう悲惨なバンドなどと言わせないほど気合が入った強力作。硬派なパワーメタルでロニーをもっと破壊的にしたような新Vo、高い演奏力と練られた楽曲、各曲に絶妙なフックが仕込まれていて耳を惹く、暑苦しいのに退屈しない。
もう一歩、問答無用の一曲があると良かった。US正統派好きには強くお勧めしたい。音質が悪いのが残念。



長いブランクがあって、89年に出たミニアルバム。


QUEST FOR SANITY


突如、激烈スラッシュ化する。レコード会社が変わったことやメンバーチェンジがあったのも理由だろうが、スラッシュが流行っていた時代だったということで時流に乗ったとも言えるのかもしれない。
でももともとテクニックはあったバンドだったから、この1曲目は強烈。のどかなイントロから急転直下、猛烈且つややこしいリフで押しまくる。当時よくあったパターン。これが異常にカッコいい。スラッシャーなら間違いなく血が騒ぐはず。



オリジナルメンバーのビル・ピーターソンが激しくデブ化していて時の流れを感じる。

91年の3rdフル。


MORBID REALITY


初期の面影はなくミニアルバム同様、激烈なスラッシュメタルをやっている。スラッシュどころかデスメタル化していて正統派好きにはかなり辛い。
曲構成に凝り過ぎていてもはや何をやっているのか分からないほど、グシャグシャの塊のよう。
1stレビューにあった「以下余白はその悲惨なバンドに捧げる」はこのアルバムにこそふさわしいと思う。

この前にもう一枚、90年に「WATERY GRAVES」というEPを出している。



“Terror”


“Hell Riders”


“The Hexx”


"Racial Slaughter"


“Morbid Reality”


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