『シティーハンター』のGet Wildが話題になってますが、退団を目前に控えた珠城りょう率いる月組『桜嵐記』みてきました。

噂に違わない名作で、宝塚の舞台であんなに泣いたのいつぶりだろう?大好きだったちえさん(柚希礼音)の退団公演の駄作ぶりに気の毒なのと退団が悲しいのとがないまぜになって泣いたのとは全く違う種類の純粋なる感動で…


これで退団できる珠城りょうの強運さ、天晴れ。一方で、こんな素晴らしい作品で退団されてしまうファンは、心持ってかれ過ぎて、しばらく廃人になること間違い無いな…


物語はごくシンプル。わかりやすいうえに、無理のない展開、お涙頂戴で観客を煽らない、静かで余計なものを一切削ぎ落とした高潔さすら感じさせる。


珠城りょうの大出世作となった『月雲の皇子』の上田久美子とのタッグとだけあって期待値も高かったですが、それを上回るクオリティで、相性の良さと、改めて上田久美子先生の頭抜けた筆力に圧倒されました。


いま一番宝塚でノッてる演出家といっても過言ではない上田久美子氏。同じく退団公演だっただいもん(望海風斗)にあてた『fff』はやや難解で、んー?だっただけに、『桜嵐記』はこれぞトラジディ・クミコウエダの真骨頂。


座付き演出家ならではの慧眼で、珠城りょうだけでなく全キャストの魅力を最大に活かし、「芝居の月組ここにあり」を見せつけたのでは。


正直申し上げて珠城りょうにはまったく興味を持てなかったのですが、良い舞台というのはそーゆー好きと嫌いとか二の次で夢中になれるものですね。背中には汗、涙と鼻水で身体中の水分を奪われながら没入してしまいました。


しかし改めて月組のトップ以下の層の厚いこと。

次期トップスター月城かなと、3番手鳳月杏、4番手暁千星、5番手風間柚乃と誰ひとり隙のない確かな実力。そこに私の大好きな、そしておそらくウエクミ先生も大好きな一樹千尋さんの登板、専科行きの決まった紫門ゆりあ、輝月ゆうまも良いダシ出てるし、白雪さちかねーさんしろ、見飽きた感すらある海乃美月しろ、もうどこ見渡しても上手い人ばっかで、月組ズルい、とすら思ってしまった。


大河ドラマか?!みたいな豪華さと、オリンピック選手が束になってみたいな磐石な実力で、なんか他の組がいろいろ気の毒になってきましたよ^^;


イケメンの渋滞は散見されがちですが、めったとない実力派の渋滞が…。これは風間柚乃あたり花組に行くべきでは?


あ、言及してませんが美園さくらもよかったです。最初、あの独特の大仰な発声に「ギャグ?!」と違和感を覚えるのですが、慣れてきたら一気にさくらワールドw  独特の佇まいと、やはり確かな歌で成立させる力があるとかんじました。それだけに、ショーも含めてもっと歌う場面があってもよかったかなーと、心残りです。