退団前に生でだいきほの舞台見れてよかったーーーです!
公演も日数を重ね、さぞ疲労も蓄積されてるかと思いきや、退団カウントダウンにしてこの歌声なのかと。前回エントリーの礼真琴にも舌を巻きましたが、だいもんは声量が圧巻。一緒に観劇した友人が「フォルティッシッシモ過ぎて
」といってたけどw、劇場が狭く感じるほどに音が響き跳ね返ってきました。退団目前ということもあり、だいもんはじめ組子の熱量もすごいから、なおさら。
礼真琴はAIかってくらい完璧な音程とテクニックが豊富で優れてると思うのですが、だいもんはヴェートーベンやってるのも納得な正統派というか、情感豊かで音の響きがダイナミック。たとえ全部「あ」で歌っても泣かせると言いますか。
そしてなんといっても真彩希帆。天使の歌声というか、もはや生ける楽器。神が与えた音、みたいなセリフをわたしの大好きなヒロさんが言ってたけど、才能を超越した神様からの贈り物。
もし相手役が真彩希帆じゃなかったら、だいもんの歌もこれほどまでには輝かなかっただろうなと。フォルティッシッシモじゃないけど、二人の出会いは「運命」だったんだなー。
またそれが皮肉でもあるのですが、トップコンビの歌が異次元過ぎて、以下組子の歌があまりに霞んでしまったのは気の毒……。
路線スターでまともに歌えるのってあーさ(朝美絢)くらい?そのあーさもまた、だいきほのような正統派ではなくややクセ強めで好き嫌い別れそうですし、爆上げの縣、私の大好きなあやな(綾 凰華)も歌は決して得意とは言えず…。
次期トップ体制では、かなり組カラーというか強みが変わりそう。
そんな次期トップ・彩風咲奈は、やはり生で見ると尋常じゃない足の長さで。何着ても映えますね。ナポレオンのお衣装、100周年の星組公演の時のものなのかな。懐かしくて涙出そうになった…(そこ!?)。さきちゃんて顔は甘いのに声が低くて背が高くて韓流スターみたい。歌は本人比ですごくよくなってると感じました。惜しむべきは滑舌がもう少しよくなればお芝居もさらに良く見えるのかなと…(誰目線!?)
相手役の朝月希和との身長や体格バランスもいいですね。二人のプレプレお披露目的見せ場もたくさんあって、お芝居もショーもさよなら感万歳って感じじゃなかったけど、それを見るにつけ、だいきほの卒業公演でもあり、新生雪組にバトンをつなぐ公演でもあるのだなぁと現実に引き戻されて、寂しくなってしまいました。
話は戻り『フォルティッシッシモ』。宝塚で今一番注目の演出家といっても過言ではない上田久美子先生の作品とあって私も期待していたものの、かなり高尚な内容というか、試座は高いわ、スケールは大きいわ。どう回収すんの!?って思ってたところからの最後の大円団は、上田先生の知性と才能ならではだと思うし「見るとすごく文化的で崇高な芸術に触れた気になれる作品」という価値はめちゃくちゃ理解しているのですが、如何せん1回じゃ消化不良気味。だからといってもう1度見たいかと言われると違う…。平たい言葉でいうと、小難しい作品、というのか。
通常公演なら趣向を凝らした面白い作品と捉えられたけど、トップコンブのサヨナラ公演としては、だいきほの描き方にに一抹の淋しさを覚えました。きいちゃんが幼少のルートヴィヒに「寒いわね」と語りかける場面なんて秀逸で、好演していたとは思いますが。
トップ在位中の作品の致死率が高いことで有名なだいもん。きいちゃんとのハッピーな関係のものもあまりなかったので、なおさらね…。あと、印象的なナンバーがなかったのは歌の名手の二人だけに残念だったかなぁ。
それでも、幕開きと同じフォーメーションで最後トップ3が競り上がってくる天丼的な場面は、理屈ではなく「舞台の見せ方わかってるー!」って感じで鳥肌がたったし、座付き演出家ならではの細やかさで退団者の見せ場を作り、オーケストラボックスを使った演出や、盆まわしなど舞台装置を巧みに使いながら「豪華なミュージカルを見てる気」にさせてくれる手腕には、コロナ禍で閉塞感を覚える観客たちを非日常に誘うには十分でした。
星清羅(ほし・きよら)のmy Pick