主な抗うつ薬の種類
抗うつ薬は、うつ病の原因と考えられている脳内の神経伝達系(セロトニン、ノルアドレナリン系)に作用します。その化学構造、作用機序によって、三環系、四環系、SSRI、SNRI、NaSSAと呼ばれる5つのグループに分類されます。
開発された年代順に、古いものから「三環系→四環系→SSRI→SNRI→NaSSA」となります。新しく開発された薬ほど、脳内のターゲットにより選択的に作用するので、治療効果が高く、副作用が少なくなります。しかし、必ずしも新しければ新しいほど良いというわけでもありません。昔からある三環系、四環系に属する薬は新しい薬と比べて値段が安く、経済的な負担が少なく済みます。また、肝心の個人個人によって薬との相性が異なるので、人によっては新しい薬より昔からの薬の方が良く効くという場合もあります。
抗うつ薬の副作用
抗うつ薬には、よく誤解されているような依存性はありません。しかし脳内のターゲットとする神経伝達系だけではない、他の神経系に作用してしまうため、副作用があります。代表的な副作用は次の通りです。
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口が渇く
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便秘・排尿障害
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眠気
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胃腸障害
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頭痛
その他、抗うつ薬の投与早期や増量時には、不安・焦燥や、衝動性が高まることが見られることもあります。副作用の発現は個人的要因(投与量・年齢・性別・健康状態・薬物の代謝機能・薬物への感受性・他のこころの病気の有無など)が複雑に影響するため、個人差が大きく、まれに重篤な副作用が出現することもあります。
主な抗うつ薬一覧
以下に主な抗うつ薬一覧を挙げます。左側は一般名で、()内は商品名です。処方時には ()内の商品名が使用されることが多いです。
- 三環系
- アモキサピン(アモキサン)
- ノルトリプチリン(ノリトレン)
- アミトリプチリン(トリプタノール)
- トリミプラミン(スルモンチール)
- イミプラミン(イミドール、
トフラニール) - クロミプラミン(
アナフラニール) - ドスレピン(
プロチアデン) (プロチアジンだったような・・・) - ロフェプラミン(アンプリット)
- 四環系
- マプロチリン(ルジオミール)
- セチプチリン(テシプール)
- ミアンセリン(テトラミド)
- SSRI
- フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
- パロキセチン(パキシル)
- セルトラリン(ジェイゾロフト)
- エスシタロプラム(レクサプロ)
- SNRI
- ミルナシプラン(トレドミン)
- デュロキセチン(サインバルタ)
- NaSSA
- ミルタザピン(リフレックス、レメロン)
以上のリストのなかから、実際に、どの抗うつ薬が使用されるかは、個人個人の症状に応じて決定していきます。共通して言えるのは、うつ病が完全に治らない大きな原因のーつとして、「もう薬を飲む必要がない」という自己判断による服薬中止があります。自分で治ったと思った時点で、は、脳内の神経伝達系のバランスはまだまだ不安定な場合が多いので、もしも抗うつ薬を飲むのをやめたくなったら、必ず医師に相談してからにするようにしましょう。