この前の休みの日の朝は天気が良く、

とても気持ちがいい散歩でした。




向こうに見える手稲山や藻岩山が

緑でも紅葉でもなく、初秋らしく

薄い茶色に見えました。


夕方も時間があったので日暮れに間に合うように

朝と同じコースを歩きました。たまにスロージョギングと。



夕方の河川敷には、犬の散歩やウォーキングやジョギングなど

何人もの人や犬が行き来していました。

そんな中に、河川敷の斜面を自転車で駆け降りる小学5年生くらいの

男の子がいました。


いいなあ、自転車は自由で。


そんなことを思いながらスロージョギングで進んでいくと

先ほどの少年が自転車を止めて斜面を何度も上り下りしているのが見えました。

下を向きながら。


僕はその少年の脇をゆっくり通り過ぎる時、

黙っていられず、声をかけました。


「何か落としたのか?」


「500円落としました」


そこは草刈りの後にまた少しずつ草が生えてきている場所でしたから、

パッと見て見つからないだろうと思いました。

おまけに日が落ちる前後で、あたりは薄暗くなっていました。


でも少年の沈んだ様子を見たら気の毒になったので、ふたりで探しました。

すぐ近くで子キツネがこちらをしばらく

眺めていました。


すぐに暗くなってきたので

僕たちはそれぞれスマホのライトで足元を照らしながら草むらを探しました。


「このへんなの?」


「だいたいこのへんだと思います」


「落とした時に音が鳴ったの?」


「いいえ」


何度も斜面を上がり下がりして、

探しているうちに

とうとうあたりが真っ暗になりました。


「残念だけど見つからないと思うよ。

家の人に言ったら?」


「6時まで探しなさいって言われました」


「そっか。そしたら、あと4分がんばるか」


無常に4分が過ぎ6時になりました。


「6時になったね。

残念だけど、仕方ないよ。

おつかいに頼まれたの?」


「いいえ。自分のです・・・・

ありがとうございました」


「うん。それじゃあ、気をつけて帰ってね。

自転車のライトはつくのか?」


「はい。ありがとうございました」


明るかったら見つかったかなとか、

それでもあの草丈じゃあ無理だなとか、

いろんなタイミングの不思議さを

思いながら帰りました。


きれいな夕焼けを見た後の

思いがけない出来事でした。