ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」の話題が盛り上がっています。起業家にとって資金調達の環境を革命的に変革するとか、IPO(イニシャル・パブリック・オファリング=新規株式公開)とは比べ物にならないぐらい儲かる投資話だとか、いろいろな言われようです。

 

でも、ICOって一体何なのか。たぶん、世の中一般の受け止めは、「ビットコインを使った株式公開(みたいな何か?)」といったところではないでしょうか。僕の理解もそんな程度でした。

 

でも仕事でちょっと必要があったので、調べたり聞いたりしてみましたが、なるほど、そんな仕組みになっていて、そういう界隈の人たちが投資していているんですね!よくわかりました。

 

ではまず、ICOとは何なのか。定義から言うと、

 

企業が、その企業が提供するサービスプラットフォーム上で利用できるトークン(電子記録)を販売することによって、資金を調達する行為。通常、ビットコインなどの仮想通貨でトークンを販売する。企業は販売にあたり、『トークンを仮想通貨取引所に早期に上場する』とアピールする場合が多い

 

わかりやすくたとえると、こうなります。

 

ある芸能事務所が、アイドルをデビューさせる計画を立てた。そのデビュー・プロモーション費用を調達するため、デビューに先立って、ファン優待ポイント(=トークン)を発行することにした」

 

「優待ポイントは、例えば10ポイントでライブチケットに、5ポイントで握手会参加券にというように、アイドル関連のイベントやグッズに交換できる

 

事務所は優待ポイントの購入希望者に対し、「優待ポイントは今後、メルカリやヤフオクに出品して自由に転売できるようにする予定だ」と説明している

 

こうすることで、芸能事務所はアイドルを売り出す資金が、デビュー前に素早く柔軟に調達できます。

 

優待ポイントを購入した投資家は、ライブや握手会を楽しむことできます。もしアイドルが大人気になれば、ライブチケットや握手会のチケット価格は(ダフ屋的な意味で)うなぎ上りになりますから、優待ポイントを転売すれば大もうけ、という可能性もあります。

 

 もちろん、アイドルに人気が出ず、すぐに引退に追い込まれたり、そもそもデビュー自体がぽしゃったりする可能性もあります。メルカリやヤフオクが「うん」といわず、優待ポイントは転売できないままになってしまい、転売期待だった人は涙目に、というリスクもあります。

 

 さて、ここでは「仮想通貨・ポイント」役割を果たすタイプのトークンのたとえ話をしましたが、このほかに、「会員権型」「プリペイドカード型」「ファンド出資金型」のトークンが販売される場合もあります。

 

仮想通貨・ポイント型、会員権型、プリカ型はいずれも、サービスの利用権を購入するのに対し、ファンド出資金型は、「トークンの保有量に応じて、事業の儲けの一部を還元する」というものです。

 

 先ほどのたとえでいえば、アイドルの稼ぎの一部が、トークン保有者に還元されるということになります。要するに、トークンの保有量が持ち株比率、出資金の割合とイコールになる、仮想通貨を使った株式公開あるいは投資ファンド、というわけです。

 

 ただ基本的に、ICOの本流はサービス利用権購入型です。ファンド出資金型は今後の規制強化が予想されており、あくまで、ICOの歴史の中の「あだ花」ぐらいに考えてもらって構わないと思います。

 

 ところで、サービス購入型が本流、というのにはそれなりに根拠があります。

 

 ICOは2014年頃からぽつぽつと出始め、16年の初夏には1件で100億円超の大型調達事例が出るなどして注目を集め、17年春に一気に爆発しました。17年5月の世界月間調達額は約600億円に上り、同年9月までの累計調達額は、2700億円ぐらいにまで達したらしいです。

 

ところが同年9月に中国がICOを禁止、韓国も禁止の方針を公表したことから、最近は少し沈静化、様子見ムードもでてきたかな?と言う感じです。

 

 で、このICO、最初の頃はITS(イニシャル・トークン・セールスと呼ばれることが多く、仮想通貨による製品購入型クラウドファンディング、みたいなイメージで受け止められていたそうです。

 

あくまで、「ユニークな」「画期的な」サービスのアイデアを、ファンとして応援する。「おもしろそうじゃん。うまくいったら、一番最初に使わせてね!」っていう感じで、トークンは購入されていたということです。昔を知る人によれば。

 

 ところが、「トークンを仮想通貨交換所に上場して換金可能にする」という部分が注目を集め、IPO(新規株式公開)イメージさせるICOと言う名称で呼ばれるようになり、そして実際に「大もうけした」という話がどんどん出てきました。その結果、最近は「儲かる、と聞いた人が、『儲け話』として、どんどん参入してきた感じ」だそうです。

 

そこが最近の急激な人気爆発っぷり、あるいは規制当局の警戒感の高まりにつながっているのかもしれません。

 

 さて、ではICOって、実際に儲かるんでしょうか。

 

(「ICOは儲かるのか」に続く)