イオンとセブン&アイの中間連結決算が出ました。ともに営業利益は過去最高と絶好調でしたが、農林中金とか金融関係の人は、あんまり評価していませんでした。

 
 というのも、いつも以上に何の工夫もなく、業者に納入価格の値下げを強要しただけで、将来性のある増益ではないからです。

 

 新聞報道によると、イオンはプライベートブランド114品目の値下げ効果を強調し、決算会見では「値下げは客の支持を得ており、対象品目は倍近い数が売れた。今後の値下げの計画ももちろんある」と説明したとのこと。

 

 セブンも、日用品61品目の値下げ効果で、対象品の販売が3割増えた、とのことです。

 

 ところが食品会社の業界団体「食品産業センター」が今年2月に行った業界調査によると、急激に流通(イオンとかセブンとか販売店のことです)からの値引き要求が強まっているそうです。

 

ここ3年間は値引き要求が減ってきていたのですが、今年は再び悪化。「不当な値引き要求を受けた」と感じたメーカーは、前回調査の10・2%から13・4%に上昇しました。

 

「下げないと取引打ち切り。書類上はこちらから値引きを提案した形だ」「相談無く勝手に引かれた」など、ひどい有りさまです。

 
 そんなにすごく増えたわけじゃないのでは?と思うかもしれませんが、あくまで「値引き要求」という巨大な氷山のうち、水面の上に顔を出した、特に「不当な要求」を表す数字です。
 
 日常的に、挨拶代わりに流通から値引き要求を受けている食品会社の担当者でさえ「不当だ」と思うぐらい、ということです。

 

その証拠に、去年までは値引き要求をある程度は突っぱねることも可能だったんですが、最近は流通側も不退転の決意で来ていることが明らかになっています。

 

前回調査では「(値引き要求に対し)すべて応じざるを得なかった」という食品会社は4・4%でしたが、今年は20・8%に激増です。いきなり5倍ですよ。

 

某銀行が食品会社筋に聞いたところ、食品の値下げセールをやるためだけでなく、「その他の商品を値下げする費用に充てたいので、おたくの食品を値下げしてくれ」というむちゃくちゃな要求をしてくるケースが少なくないそうです

 

某イオンといえば、「売り場をおしゃれに改装して、モノ消費からコト消費への変化に対応する」とか何とか、脱デフレ戦略をいろいろと語っていましたが、結局、値段以外にアピールポイントがないことが明らかになってしまった、と言うことなんでしょうか?

 
 うちの近所のイオンでも、ワインコーナーがすごく立派になりました。買って飲んでみたら、すごく安くてうまい。480円とか780円のワインなんて、昔は本当に生臭くて飲めたものではなかったのに、いや本当にうまい。普段使いならこれで十分、という水準です。
 
 しかし、ワイン業界は厳しいです。イオンは子会社のイオンリカーというのを設立して、ワイン拡販に力を入れているんですが、インポーター(ワイン輸入商)の間では「踏み絵を迫られる」として、ある意味、恐慌状態が広まっています。
 
 イオンリカーと取引すれば、販売量はすごく増えるんですが、利益率は本当にかすかすになってしまう。それは日本のワイン文化にとっていいことなのかもしれませんが、長期的にはそうでないかもしれません。難しいところですが。