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金融庁の次期長官はだれなのか?
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(「ICOって何なのか」からの続きです)
さて実際のところ、ICOは儲かるのか。
爆発的に盛り上がった今年6月、7月の海外ICO案件に投資した人のなかには、10月現在で投資額が20倍になったり30倍になったりというケースも出ているそうです。
じゃあどうすれば、そんな儲け話に絡むことができるのか。世の中そうそう、うまい話が転がっているわけはないのですが、それでも一獲千金を狙うチャレンジングな方に、いくつか注意点を。
ICO投資に成功するために最も大切なことは、「詐欺『サイト』に引っかからない」ことです。注意してください。「詐欺の投資話に引っかからない」ことではありません。
ICO案件は、ほぼ確実にフィッシングサイトが登場します。運良く正規のサイトにたどりついて問い合わせをしたとしても、偽の連絡メッセージが送られてくる可能性があります。
逆に言うと、フィッシングサイトも出てこないような案件は、最初から投資対象外ってことなんでしょう。ICO経験企業によると、「担当者を張り付けて、フィッシングサイトが出てきてないかどうか、24時間ずっとチェックさせた」と言うことです。
さて、そこはクリアできたとして、次は、良い案件なのか詐欺的案件なのかをどう判断するかですが、材料は3つあります。
まず、企業側が出す「ホワイトペーパー」という説明資料です。ここに事業内容や今後の上場計画(いつトークンを仮想通貨取引所に上場して、仮想通貨に換金できるようにするのかの見通し)が書かれています。
ICOでもうけるなら、まず事業内容に現実味がなければ話になりませんし、上場計画がはっきりしていないと、いつまでたってもトークンが換金できない可能性があります。
問題は、ホワイトペーパーは全く当てにならない、と言うことです。
株式公開の場合は証券取引所から厳しいファクトチェックが入りますが、ホワイトペーパーは裏付けのないアイデアの羅列でOKです。執筆経験者によれば「一晩で書けた」そうですから、そんなレベルのものなわけです。
というか、ICOは基本的に「前例のない画期的なアイデア」について、「事業化のめどがはっきり付いていない段階」で、開発資金を募るものですから、ホワイトペーパーに書かれている市場予測も開発計画もその後の収益計画も、すべて「そうだったらいいな」という希望的観測にすぎないというのは、どうしたってやむ得ない訳です。
しかも海外のICO案件の場合、当然、資料は日本語ではありません。
では、次に当てになりそうなのは、ベテラン投資家のご意見です。現時点では証券会社の個別ICOアナリストは(あまり)存在しませんので、ネットコミュニティーを頼ることになります。
ICO投資家のネットコミュニティーとはどのようなものか。
聞くところによると、仮想通貨コミュニティーと、ほぼほぼ重なるらしいです。
ICO1件への投資額が日本円換算で10万円ぐらいだと小口扱いで、最低でも30~40万円以上の場合が多い。国籍では米露中韓が多く、あとは英国、東欧、ベネルクスやベトナムとかもいる。
ざっくり言うと、ベンチャー精神が豊かな国と、アングラマネーの豊富な国ってことですね。
構造としては、みんながお互いを知っているような狭いコミュニティーがコアに存在して、その回りにフォロワーが集まっている。コア層に働きかけて、そこにどうやって支持を醸成していくかが企業にとって、ICOを成功させる鍵になるそうです。
そう簡単ではありませんが、コア層の支持さえ得られれば、今度はその人たちがセールストークを自発的に広げてくれます。
フォロワーが「具体的にいつ上場するんだ」などと、疑問の声を上げたとしても、コミュニティーの大物がいなして(黙らせて)くれるそうです。
要するに、心から「おすすめ」しているのか、いわゆるステマなのか、見抜く眼力が必要ってことですね。
最後に当てになりそうな情報は、その案件に絡んでいる弁護士でしょうか。本人に聞いてもそりゃダメでしょうけれど、その弁護士と組んだことのある弁護士か危機管理系広報会社に知り合いがいたら、それなりに役にたつ話が聞けるでしょう。
ついでながらですが、「すでに国内で仮想通貨交換所を運営している業者が、そのノウハウを生かした新事業を計画し、その資金調達のためにICOを行う」という話が出てきたら、ちょっと注意した方がいいと思います。
国内の仮想通貨交換所は驚くほど儲かっていません。最古参組しかなかった時代からすでに、苛酷な手数料引き下げ競争が展開されていたためです。
そのため、「いずれビットコイン決済が普及する日が来るかもしれないから、インフラや技術を抑えておくために金を出しませんか」と、金主を引っ張ってくるか、あるいは別に本業があって、そっちでもうけることで、各社は生き延びてきました。
そういったところがここにきてICOに手を出すというのは、いよいよ金主に見切りを付けられたか、本業の方では支えきれなくなったか、あるいは我慢しきれなくなって一か八かの大勝負に出たか、という可能性もあるためです。
さて最後に、日本での代表的なICO事例を紹介し、金融庁は今後、規制するのかどうなのか、と言ったあたりを考察して終わりにしたいと思います。
(「日本のICO事例と規制の今後」に続く)

