1月23日、4サイクル目のキモセラピーをいつも通り特に問題なく終える。その時もらった今後の予定表に、突然「緩和ケア」のドクターとのミーティングの予約が入っていることに気づく。

私は今全然平気なのに、医者から見たらその段階なのかな?とショックで、久しぶりに涙目で夫に訴えた。夫は、最近何か大きな検査をしたわけではないのだから、マニュアル通りの対応なんでしょ、と言ってくれる。

 

転院を予定している東京のF病院にも聞いてみたら、現在は化学療法と並行して緩和ケアを行っていくという考えが主流であるため、それに則って紹介されたのでは。緩和ケアに紹介された=あきらめた、ではないと思うので心配しなくて大丈夫、との心強いお返事をいただいた。

東京のF病院へは、キモセラピーが始まった直後あたりから相談させていただいているが、いつも冷静かつ丁寧なお返事をいただける。

 

※登場する「Dr. A」や「F病院」などのアルファベットは、仮名にするためにAから順に付けているだけで、実際の名称の頭文字ではありません。

 

 

1月31日、腫瘍科の担当医Dr. Aとのミーティング。大腸も肝臓もとても数値が下がっていて、大変良い結果です、おめでとう、と言われる。やった!

パソコンで見せられたデータを写真に撮るのを忘れ、具体的に何の数値かあやふやなので、ここに書くのは控える。次回はきちんとしよう。

 

 

そして翌2月1日、緩和ケアのDr. Gとのミーティング当日。

初っ端から話が噛み合わなかった。

 

 

 

私の「大丈夫です」という言葉を、全く聞こうとしてくれず、

カウンセリングの案内などの話に持っていくばかりだった。

 

 

 

 

要するに、”ステージ4の大腸がんなのだからさぞ落ち込んでいることでしょう、だからプロの私が相談にのってあげて、辛い気持ちを緩和してあげます、何?落ち込んでいない?あなたは現実を直視できていないのでは!?”というところなのだろう。

 

ポジティブな気持ちで、寛解を目指して治療頑張ります!と言っている患者に、いえいえ、治療はただの気休めなのですよ、現実を見ましょう、辛いけれど覚悟を決めましょう、慰めてあげるから、というのが緩和ケアなのか?患者を落ち込ませるのが緩和ケア?

少なくとも私には必要ないし、そもそも頼んでもいない。在宅介護サービスと一緒。全く患者を見ずにマニュアルだけで動いている気がする。患者一人一人を見ずして一体緩和ケアってなんだ?

 

二度と行かないと決めた。
 

因みにかなり腹は立ったが、ああ、ドクターがああ言うならやはり私の病状は悪いのね、、と落ち込むようなことは一切無かった。私がもっと若かったら違っていたかもしれないが、世の中には本当にいろいろな人がいる、とある程度分かってきたから、ここにも意味不明な「緩和ケア」ドクターが堂々と存在するという事実に純粋に腹がたっただけだ。

 

Dr. Gは始終私を「可哀想なNene....」という目で見ていた。私は私を可哀想だと思わないし、思われたくもない。

だから私も、いろいろな境遇にいる人を可哀想だと一蹴しないで、正しく理解し応援したい。

 

 

余談①
胸に転移がないか確認するため、マンモグラフィを撮るようドクターに言われて撮りに行った際、また立て続けにあらゆる質問をされた。その中で「がんに罹患した経験は?」という質問。「今、罹っています。大腸がんと肝臓がん」と言うと「今!?Oh, OK」とちょっと慌てていた。本当に横のつながりがないのだ。因みに検査の結果は、転移なし!

 

余談②

前回ホームレスのことに触れたが、アメリカはなんだかんだ言って、ホームレスや低所得者層に対するケアが充実しているように思う。炊き出しも沢山あるし、自治体ごとに、ホームレスや低所得者層向けの「手頃な価格の住宅(Affordable Housing)」建設のノルマがあるし(どんどん建っている、しかも都心の一等地だったりもする)、コロナのパンデミック期に経済的困窮家庭が増えたことで始まった、子どもたちの通う高校のランチ無料サービスは、結局、対象がすべての生徒になり、今でも続いている。(お弁当を作らなくて済むようになり、とても助かった。)

因みに医療費が異常に高いことで有名なアメリカだが、収入も資産もない人は医療費は無料。友人の義姉が脳腫瘍を患ったが、もう定年退職していて家も借家だったため、無料で治療してもらえ、完治したとのことだった。

 

 

 

♫  おまけの写真コーナー  ♫

趣味の集まりで通っていたビル。

ピカピカのビルより、レンガ造りのビル、さらにレンガに何重にもペンキを塗り重ねてあるような古いビルに美しさを感じて、ついつい撮ってしまう。トイレまで。