食べているにもかかわらず全身の栄養低下をきたしている状態を「吸収不良症候群」といいます。
この状態は、体力低下により自立度が低下したり、疾患が悪化するなどの障害が次々に起こるのが特徴です。
高齢者の場合、はっきりとした変化が現れにくく周囲の注意が重要です。
吸収不良症候群はさまざまな病気で起こりますが、栄養素を吸収する過程自体の異常に基づく「原発性吸収不良症候群」と、原因となる病気によって二次的に起こる「続発性吸収不良症候群」に大きく分けられます。
このうち、二次的に起こる続発性吸収不良症候群が大部分を占めます。
食生活に問題がないにもかかわらず急激な体重の減少がみられたときは、この吸収不良症候群が疑われます。高齢者の場合は、変化がはっきりとと現れにくいため発見が難しくなります。
吸収不良は、「消化を妨げる異常」や「栄養素の吸収を妨げる異常」などによって起こります。食べものが消化酵素や胃酸と上手く混じり合わない状態になると、消化が妨げられる原因となります。
こうしたことは、手術で胃を部分切除した人などによく起こります。ほかにも原因はさまざまで、原発性腸疾患、手術、炎症、腫瘍により腸粘膜が障害される続発性腸疾患、肝臓、胆道、膵臓の病気による膵液や胆汁の分泌障害、栄養素の吸収経路である門脈やリンパ管の障害などがあげられます。
原因となる病気によって二次的に起こる「続発性吸収不良症候群」の原因としては、クローン病など広範囲にわたる腸病変、アミロイドーシス(異常蛋白のアミロイドが体のなかに付着して臓器の機能障害を引き起こす状態) などの全身性の病気、腸切除後、放射線照射後、膵臓がんや胆道がんなどで消化酵素分泌障害といったさまざまな病気があげられます。
栄養素の吸収が妨げられるため、不足する栄養素によって症状はさまざまです。代表的なものとしては下痢、脂肪便、体重減少、全身倦怠感、腹部膨満感、貧血などがみられます。
各種栄養素の吸収過程でもっとも早く障害を受けるのは脂肪なので、脂肪吸収障害による慢性的な下痢や脂肪便(水より比重が軽いため水に浮く。見た目も脂っぼい) がよくみられる症状です。
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