〜我が国にとっての「科挙」
つまり国家及び地方公務員試験に私が挑んだ経緯についてもう少しkwsk述べるとしよう。
あれは、ちょうど20年前になる。
思えば大学生となり、成人を迎え、公私共に傍若無人に振る舞い、与えられた時間と金をありったけ私利私欲に費やし、やりたい放題だった私。
残ったものは、ある程度夢を見て行動をとったは結果、いまいち燃え尽ききれず、疲労困憊ぎみに燻ったままのロックへの情熱と…
そして齢21にしてようやく実った恋と、愛故に突きつけられた現実だった。
時は9.11テロからの中東紛争、ブッシュによる米軍介入と我が国ではロマンス・グレイのダック・テイルが構造改革を行い、まさに世界はフォーエバー0といえる情勢と、世の中は「勘どうした?」と言わんばかりのデフレーションと就職氷河期真っ只中で暗雲立ちこめていた時代だった。
ベルリンの壁は壊され冷戦終結した数十年後、、プラザ合意ののち弾けて砕けたバブル。
多額の不良負債は高度成長期のサラリーマン神話と共に凍結。
私たち団塊ジュニアは生涯かけてツケを払い、ケツを拭う羽目となった。。
あゝ生まれて良かった〜
ニッポンの未来はwow wow 老う負う♪
…はたまた
メイドインジャパン!
冥土隠邪犯?
かくいう私はハナッから就活などしてはいなかったが、目の前に立ちはだかる未来への扉は重厚を極めた。
そして恋人との関係について悪く扱われたことが直接の理由で、私はいちばん身近な大人である両親を敵視し、社会的地位において彼らを超えてみせようとしたのだ。
全く歯が立たない闘いとは承知で…
父母は、ともに法政大学出身。
当時景気は良かっただろうが、激動の時代に地に足つけ、大手企業に就職した。
卒業という猶予期間まで、この事実は私にとって大いにコンプレックスを抱かせた。
ここにきての壁にしては高すぎる。
それ以前に、、己の怠惰や不安や戸惑いに打ち克てていたか?
既にノーリターン…
こりゃもう一発形成逆転をねらうしかない。
この嘆かわしい時代に手っ取り早く勝つためには?
国家公務員?
霞ヶ関でエリート官僚、キャリアか…
(いや、それはさすがに無謀だ)
じゃー「地方公務員!」
でも超難問学科試験?
(これでも高校は公立の進学校。5教科の基本は完璧。行けるっしょ!
センター試験?なにそれくえるの?)
えぇと、実際年功序列で初任給は思ったより低い?
(じゃー、一般企業?
競争社会で中小企業のコマになり、頭下げてモノ売って顧客作って…愛するものへ安定した食い扶持を生涯保障していくのに必死になる人生?
不景気で不安定、歩合だとしてノルマに残業、ストレス、接待ゴルフに付き合い飲み会。
趣味など到底できゃしない。
あー無理無理無理!!)
競争率は100倍!?
(…いや、いまバイトもしてないし、卒業単位とるために学校行ってるけど、社会人受験生よりは時間もあるじゃないか!)
よし。試験はいつだ?
…
秋口の中級より
初夏の上級だ。
相変わらず世の中舐めていたし、安易にものを考えすぎていた。
それから数ヶ月。。
情報検索においてはまだ、インターネットは主流ではなくパソコンも2ちゃんねるが出てきたばかりの頃。
なんとなく近寄りがたかった。
なので直接書店でまずは「合格のための指南書」を購入する。
当たり前だが、読者がいい気分になることしか書いてない。
しかし、やみくもにやるよりは時間対効果を考慮し要領よくやるコツだったりとか、本当に役立つ参考書だとかを紹介していた。
基本的にいわゆる過去問が1番の正攻法。
できれば5年分、詳しい解説つきのものが望ましいとされていた。
しかし中には殆どの場合、専門的知識ゆえ概論の導入による理解が必要で、各教科それぞれにおすすめの入門書なども挙げられていた。
私は理数系がてんでダメだったが、専門予備校TACが出版している入門テキストなどは本当に良書だった。
ほか、江川達也先生のイラストが掲載されてるものもあり、気分が上がった。
地元で見つからない書籍もあったが、当時「下妻物語」という映画を彼女と渋谷まで観に行ったついでにジュンク堂などで発掘した。
ついでに…
その程度だった。
もっと追い込まれる必要があった!
一般教養、時事問題
現代文、英語、数的推理、空間推理、政治学、行政学、経済学、社会学、民法…
購入した参考書は20冊ほど積み上げられた。
息抜きも大事だと週一で彼女と遊び、ホテルで夜を過ごした。
ワリカンにしたことによる虚しさと悔しさをバネにした。
ほかCDも、服も
フェンダーのテレキャスターまでも結局ローンを払い終えて間も無く質屋に流した。
あわやフェイバリット・コレクションすら己が欲望を満たすために錬金されてしまった。
よくいえば覚悟もそれなりにあったということだ。
金も時間も未来のための先行投資!
さぁ、あとは、試験の鉄則「過去問」をバリバリ解くのみ。
自動車運転免許のように、短いタームで問題数を叩き込む。
試験はマルバツではなく五肢択一。
それぞれ正誤を問うから、読解力とどれだけ知識を詰め込めるかが肝だ。
1ページずつビジュアルでスクショし、ニューロンに保存しろ!
毎日ン百問!
やるぜ!!!
…?
………あれ。
全然進まない!
何度やっても覚えきれない!
焦ると余計な雑念!
そうだ、外へ出よう!
…裏目に出た。
図書館では新聞スクラップしている初老の方の寡黙で凛とした所作ひとつひとつが、いちいち気に障った。。
ドリンク・バーを利用しにファミレスに行っても、どこかで見たことある人間がいようものなら集中できるわけがなかった。
この邪心
もはや病んでいた。
過去問の文字が頭に入ってこない。。
あれだけイキっておきながら急に不安になる。
おそらく…うつ状態に近かった。
危なかった。。
振り返り思ったのは
記念受験というものは聞こえほど、そんなに良いものではないという事だ。
意識はまた、ロックへ。