母も一緒に読んでみました、課題図書。
国際バカロレアディプロマで今年度(2023-2024)使用されている教材のうちの戯曲2作を読んでみました。
A Streetcar Named Desire
By Tennessee Williams
日本語版 「欲望という名の電車」
テネシー・ウィリアムズ
Ghost
By Henryk Ibsen
「幽霊」
ヘンリック・イブセン
。。。。。
どちらの課題図書も戯曲形式の短い本なのですが、どちらにしても内容が・・・エグい…。
有名な本なのでどちらもご存知の方々もいらっしゃるかと思いましたが、私は今回初めて読んで「・・エグい」としか感想が出てこなかったぐらいに苦手かも。
高尚な文学とか哲学的で意味が分からないとかいう難しさとは異なり、人間の愚かさや弱さや泥臭い部分をさらに登場人物皆でドロドロに混ぜ合わせたような強烈な感情の渦の連続で、かなり「救い」の無い内容です。
テネシー・ウィリアムズの戯曲は有名なものが多くてこの「欲望という名の電車」も現在でもよく劇場で公演される演目のうちの一つだけど、登場人物皆が癖があってニンゲン誰もが愚かしい感有りで、読んでいて暗い方向へ否応なく引きずり込まれるので私個人としてはあまり好んで読みたい/観たい 本/劇では無いですね。
次男の課題図書でなければ、一生読まなかったかもしれません。
以下ネタバレにつき、ネタバレされたく無い方はスルーでお願いします:
*「欲望という名の電車」概要---
アメリカ南部出身の、元お金持ちお嬢様兼学校教師だった主人公ブランク(フランス語読みだと「ブランシュ」)。過去には大地主だった実家も落ちぶれ、家族も亡くなりお金が無くて売春で食い繋いでいたが、ついには自分の生徒にまで手を出したことで教職をクビになり、妹が彼氏と同棲しているニューオーリンズの下町の小さなアパートに身を寄せる。
昔のトラウマでは、好きだった相手が同性愛者だった現場に居合わせてしまいそれを本人に言ったら相手は銃で頭を打って自○した過去がある。
妹ステラはスタンレーという粗野で酒と賭け事に溺れる労働者階級の相手と同棲中で、現実を受け入れようとせずお嬢然としてお高くとまっている姉ブランクを冷めた目で一種の諦めの境地で見ている。
当然スタンレーはいきなり居候しにきた(彼にとってはイラつく原因の)ブランクとは相容れず。それでもパッと見は綺麗でお嬢なブランクに騙され?る賭博仲間のミッチも登場するが、結果的にはブランクの本性を知ったミッチにも見放され知り合いの大金持ちに電報を打っても相手にしてもらえずスタンレーには手籠にされて、最後はブランクは気がふれて精神病院送りになり、おしまい…。
ネタバレここまで。
映画「風と共に去りぬ」がハリウッドお得意のうわべを綺麗に装った女性の自立バージョンとするならばこの「欲望という名の電車」はそれと背景がよく似た「より現実的なもっとも起こりうるであろうバージョン」のように思えました。
時代背景的に女性が一人で逞しく生きていくことが難しかった時代の物語なので仕方がないとはいえ、主人公自体も「ヤバい女」としか私には思えなかったんだが・・(何気に某君主国から次男坊を連れて某自由の女神国へと移住した名前だけロイヤルな妃と重なって見えてしまったりした・・)
まだ妹のステラの方が地に足つけて現実を直視して少しはマシに生きているように(あくまでも私には)思えてしまった。。
最初読み終わった後は、「こ・・・これ(同性愛、売春、ゆすり、賭博、手籠、精神疾患etc) を受験生の試験問題で出すのか・・・!」と一瞬怯んだ母ですが。
よくよく咀嚼してみた後は、この本、試験対策にはならなくても、次男にとっては「これからの人生対策」として読むには教訓にもなってよろしいのかも・・しれない・・??!!と思い直したりもする母です。。
自分の息子たちにはこういう↑ 嘘で塗り固めてまで見栄を張っていないと生きていけないような「一見可憐風」だけど「常にオンナを武器に、したたかに人を足蹴にして生きていく」女性は選んでほしくないわー・・・というのが母の正直な感想デシタ←(全くL&Lの試験対策になっていない!!orz...)
「幽霊」についてはまた次回、機会があれば記録します。。。
それではみなさま良い一週間をお迎えください