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ダイヤモンドガメに魅せられて Fascinating Diamondback Terrapin

アメリカ合衆国の汽水域に生息しているダイヤモンドバックテラピンの魅力を紹介します。

残念ながら、海外だけでなく国内でも亜種間ハイブリッドダイヤモンドバックテラピン(DBT)が、増加しつつある。オルナータ亜種でおよそ3割、カロリナ亜種に至っては9割以上ハイブリッドと言ったところか。なぜ、こんなにハイブリッドDBTが、世界中に増えてしまったのだろうか?さらに、なぜ、コンセントリックDBT(亜種名を付けず、単にコンセントリックと言う場合、ハイブリッド個体を意味する)に、マングローブDBTの血が入ることになったのか?知らずにブリーダーを続けるのと、知ってブリーダーを目指すのとでは到達地点が大きく異なる。今回は、この二つの疑問に、差支えのない程度でお答えする事から始めよう。

 

まず、巷に、ハイブリッドDBTが増えた理由ですが、その解決の糸口は、人気実力、世界No.1のアメリカDBTブリーダー、Jason Kesler氏(以後、ジェイソンと呼ぶ)のホームページ(トップページLISTINGS→Carolina)に見出すことができます。

 

 

英語の訳も付けましたが、ジェイソンいわく、カロリナDBTは、1900年初頭にノーザン亜種と混雑したため、判別できなくなったということです。

 

これ何を意味するのかと言いますと、DBTの食用亀としての悲しい歴史に関係しています。

アメリカでは1880年代から1920年代にかけて食用としてのDBTの需要がピークを迎えており、野生個体の捕獲、さらには捕獲したDBTをもとに養殖場で飼育、繁殖が行われていました。

食用なので、DBTの亜種、皮膚の色、模様など関係なく、美味とされたノーザン亜種とカロリナ亜種は、同じ養殖池で飼育、繁殖されていたようです。

これがジェイソンの言う混雑の原因ですね。

 

そして、ジェイソンは、野生個体の捕獲が州法で禁止されているので、事実上、爬虫類飼育下でのカロリナ亜種の存在を完全否定しています。

 

彼は、6,000人のメンバーから構成されるFacebookグループサイト「Diamondback Terrapins」の管理者をStephen Candace Chewと一緒に長年務めていたので、少なくともアメリカDBTブリーダーの内情は熟知していると思います。

その上で、カロリナ亜種は、飼育下で存在しないと言い切るのですから、James Leeが第一線を退いた後、アメリカDBTブリーダーでカロリナ亜種を維持している者はいないということです。

 

汽水屋継代飼育 from James Lee血統

 

次に2つ目の疑問の、なぜ、コンセントリックDBTに、マングローブDBTの血が入ることになったのか?についてお話しましょう。

 

1900年代初頭と言えども、マングローブDBTの野生個体は希少であり、かつ南部系亜種で食用には向かないので、養殖場でコンセントリックとマングローブDBTが混雑したとは考え難いです。

 

ノーザンコンセントリック或いはノーザンとカロリナのハイブリッドコンセントリックとマングローブDBTが混雑した理由は、そこにコンセントリックがいたからです(笑)。

 

2000年前後、アメリカDBTブリーダーの中で、マングローブDBTをペアで所有していたのは、James Leeと恐らくChristopher Boykinだけです。

片親しか所有していないDBTブリーダーは、性成熟したマングローブDBTをどうしたと思います?

皆さん納得してもらえると思いますが、他の亜種とペアリングするしかない、或いはペアリングしたくなると思います。

これはもうDBTブリーダーの性ですね。

 

2017年、汽水屋立ち上げの年、オルナータDBTのピンクヘッド同士のペアを組みたかったのですが、ピンクヘッドのオス(ZERO)しか持ち合わせていなかったのでブルーヘッドのメス、Jamesと掛け合わせたわけです。

 

同様に、アメリカDBTトップブリーダーのJason KeslerもマングローブDBTのメスしか所有していなかったので、2020年、オスにホワイトヘッドのノーザンコンセントリックを選んでペアリングしました。

 

そして、誕生したのが、JK Terrapins(ジェイソンが経営している爬虫類ショップ)の世界的に人気のマングローブ×ノーザンコンセントリックハイブリッド血統“Nova(ノバ)”です。

 

 

つづく