ピンク色の頭部を持つオルナータダイヤモンドバックテラピン(DBT)をピンクヘッドと呼ぶ。アメリカDBTブリーダーJames Lee氏は、不完全ながら遺伝的に色素が欠損したピンクヘッドをレアピンクヘッドと呼んで愛した。その究極の個体が、アルビノオルナータDBTとノーマルオルナータDBTを掛け合わせて誕生したレアピンクヘッドであり、遺伝学的な命名をオルナータDBT Het Albino(ヘテロアルビノ)という。そして、爬虫類ショップHerptile Loversによって海外から国内に輸入された初めてのHet Albino、それがJames Leeが創造した汽水屋のZEROである。
ZERO
2012年7月、ZEROを手にした時、いつか自分の手でオルナータDBT レアピンクヘッドを産出してみたい、という強い想いが芽生えました。
これがDBTブリーダーになったきっかけですが、この想いは、皆さんご存知の通り、ZEROとノーマルオルナータDBTのメス個体“James”とを掛け合わすこと(オルナータDBT ZJ血統)により、意外にあっけなく達成できました。
まみえ(29℃孵化)
2019年12月、新型コロナウイルス感染症が発生し自粛生活を余儀なくされていた頃、オルナータDBTレアピンクヘッドの究極形態がHet Albinoであることを知り、目標はHet Albino産出へとランクアップしたわけです。
そして、昨年より誕生したのが、レアピンクヘッド同士のペアからなる「まみえ血統」です。
まみえ(下)ポストZERO(上)
まみえ血統から孵化してきた個体で、ZEROの表現型に匹敵する、すなわちHet Albinoに近いとみなせる個体は、昨年は全孵化数11匹に対してHet Albinoは4匹、今年は全孵化数24に対して5匹のみです。
Het Albino
Het Albinoの判断基準は、遺伝子解析したわけではないので、あくまでもZEROとの比較になるのですが、
① 頭部のピンク色が濃く、赤みを帯びていること。
Het Albino(27℃孵化)
ただし、ピンクヘッドの濃さは、孵化温度に依存し、高温孵化させた個体ほど赤みが増すので、遺伝的に色素が欠損して赤く見えるのか、孵化温度の影響なのか見極める必要があります。
② クリアネイルに近いこと。
Het Albino(27℃孵化)
完全には透明な爪にはなりません。
血管が通っている部分が薄っすら黒く不透明になっています。
③ 四肢の先に透明感があり、ピンク色をしていること。
Het Albino(27℃孵化)
頭部のピンク色の強い個体は、腹甲の縁にも赤がのります。
④ 頭部、四肢、腹甲のスポットが少ないこと。
以上が、ZEROの表現型を基準にしたHet Albinoの特徴です。
つづく