「はい。大変お待た『はい、じゃないわよ!さっさと電話出なさい!!この下っ端!!!』
……はぃ……?
「大変申し訳ございませんでした。“Produits”本社、妃がお受け致『アンタの名前なんてどーでもいいわ!』
……はぃ、そうですか……。
山本千鶴の話し方にも似ているが……年は40代位だろう。
「本日は当社にどのようなご用け『用件……?アンタ、私に何したか分かってんの!?』
ことごとく私は最後まで言葉を紡がせて貰えない。
挙げ句の果て、良く分からないことを言われた。
私が何したっていうんだ。
「申し訳ございませんが、わたくしには身に覚えがございま『身に覚えがない!?いくら下っ端だからってそういえばいいと思ってる訳!?』
『あのねぇ、アンタんとこで買った“プルプルシェイバー”ね、あれ。効果無いじゃない!』
“プルプルシェイバー”……?
担当外製品なので良く分からないが、名前からしてダイエット用品の類だろうか?
「説明書に記載してあります通り、個人差がござ『個人差ぁ!?CMでは楽に痩せるとか言ってたくせに!毎日腹に巻いてんのよ!?腹に巻いて、菓子食ってテレビ見てんの!痩せないのおかしいでしょ!?』
そりゃ痩せないわ。
「お言葉ですが、嗜好品を召し上がられながらのご使用では『私がいけない、っての!?』
その通りでございます……と言いたいのをぐっと堪える。
というか、好い加減私に最後まで言わせて頂けないでしょうかね……?
『謝んなさいよ』
「……ぇ……?」
『ぇ、じゃないわよ!あのね、効果が無かった上に失礼な事を言われたの。私の所に謝罪に来るのが筋でしょ!』
「……」
『じゃ。アンタんとこの会社に私の住所のファックス送っとくから。1週間以内に来なかったら会社ぶっ潰すわよ!』
ガチャッ!ツーツーツー……。
私が絶句している間に次々と用件だけを述べ、勝手に電話を切られた。
名前すら聞いていないのだけれど……。
ピーピーピー
電子音で我に返る。
そういえばファックスを送ると言っていた。
ファックスから送られてきた用紙を見ると、ただシンプルに“本庄佐々菊”という名前と、ちょっとした地図だけが載っていた。
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