「それは……勿論……その人のための物、ですが……」
「……では、美琴様も同じように思っていると思います。ですから、私は“美琴様がお使いになる可代子様の為の物”を提案させて頂こうと思っています」
「それは……一理ありますね」
やっと納得して貰えたので、本題を話す。
「 ━━可代子様 のお好きだった香りはご存知ですか?」
「香り……ですか?花、でしたら存じ上げております」
花でも香りの参考になるので、続きを促す。
「リンドウ、です。可代子様は冬生まれで、冬に咲くリンドウがお好きでした。ですので、ご葬儀の際菊ではなくリンドウを手向けさせて頂きました」
「リンドウ、ですね?他には何か、お好きなものとかは……」
「ライターです。ジッポ?とかそういう類のものをコレクションしておられました。お煙草を吸われる方で、死因も肺がんでした。……すみません、煙草の事に疎いもので……」
「いいえ、大丈夫です。ライター……か、ライターでも……。分かりました、ありがとうございます!」
「表情が生き生きとなさいましたね。何か思いつかれましたか?私の話が参考になったのなら光栄です」
最後にそう言って、失礼致しましたと立ち去る使用人さん。
~♪~♪~♪
丁度、携帯から聞きなれた音楽が聞こえる。
麻穂からの着信だ。
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