エーゲ海の光と罠〜私のギリシア紀行ー | ギリシア本読書記録

ギリシア本読書記録

自分用読書手帳

『エーゲ海の光と罠ー私のギリシア紀行』

楠見 千鶴子/著

ブロンズ社

1982年刊


ギリシアへの旅

 ギリシア・私の原風景

 ギリシアの男たち

  気楽な宿

  老いも若きも車好き

  一族で経営する店

  消えてしまう女性

  自尊心は世界一

  男の買物とアゴラ

  群青の空、凪いだ海

 アクロポリスとその影の遺跡

  風の塔に魅かれて

  置き去りにされた北側の遺跡

  プラか

  ヘラへの復讐

  屈折した神の想い

  古代の死者の町

  墓碑にこもる嘆き

  黒い糸杉の群れ

  底知れぬ深いかげ

 エーゲ海の饗宴

  I  イドラ島

  無音の世界

  ロバが支える暮らし

  レモンの木陰で

  絶品の鯖とパン

  大地母神の誘い

  Ⅱ 海底熟成二千年のワイン

  海から揚げられた生ワイン

  ギリシアの酒、レチーナとウーゾ

  遺跡の名をもつローカルワイン

  Ⅲ ギリシアの味覚

  紀元前5世紀のディーナー・パーティ

  庶民的な料理店・タベルナ

 男がシルタキに狂うとき

  アテネの裏町

  踊る美青年

 天と地の祝祭日

  ギリシアのイースター

  生活に根づくギリシア正教

  エメラルドの海と花輪

 神託の風土

  山間の地・デルフィ

  狂乱と陶酔の神ディオニーソス

  標高940メートルの村

  アポロン神殿

 アテナイとスパルタ・文明の両極

  スパルタへ続く道

  小ぎれいな明るい町

  命令と懲罰のみ

  古代ギリシアの衰亡

 古代人の笑い

  エピダウロスでの観劇

  一万五千人の観衆

  満点の星の下『女の議会』上演

 花と香油と香油壷

  咲き乱れる花々

  ロードス香

  古代の香油壷

 白地香油壷の絵付師たち

  不気味な黒さ

  死の旅へ

  冥界への恐れ

 すべてありし日のままに

  Ⅰ 古代の墓地と墓碑の変遷

  たぐい稀な墓碑彫刻の心

  へゲソとシレニス

  一族団欒

  若き狩人

  古代人の死生観

  Ⅱ 蜉蝣の墓碑

  Ⅲ さすらい人の墓碑

 古代の酒杯と少年愛

  酒杯と不思議な文字

  オルフェウスの受難

プロフィール

 女たち

  Ⅰ 密封された女の反逆

  家に繋がれた女たち

  嘆きと怒り

  古代の姦通罪

  Ⅱ メディアとメルクーリ

  女の激情

  メディアの本質をもつ女優

  Ⅲ ソークラテースの悪妻のために

  Ⅳ アスパシアの顔

 ギリシア人素描

  Ⅰ 貧困が育てた文明

  資源の乏しさ

  繁栄と混乱

  Ⅱ 栄華と没落を彩ったふたりの男

  冬のギリシア

  古代人の面影をもつ現代

  対極的なふたりの男

  戦後日本の世相に酷似

  Ⅲ 無限の魅力を秘めた素顔

  アガメムノン一族の運命

  壮烈な姉エレクトラの生き方

  Ⅳ ギリシアの民家

  Ⅴ 古代のスポーツセンター

  Ⅵ 喜劇の土壌


作者の楠見さんが、ギリシアに旅行された際に、見て感じたことをご自身のギリシアに関する知識と共に書かれている旅行記です。特に古代の墓碑に関しての記述が、細やかで、ケラミコス遺跡に行きたくなります。後書きが1981とありますので、1970年代後半のギリシア旅行を元に書かれているかと思います。当時のギリシアの様子や文化そして古代の文化と歴史を縦横無尽に楽しめる1冊です。