「世界の国シリーズ 10 ギリシア・トルコ・イスラエル」
講談社 1983年刊
目次(ギリシア部分のみ)
Ⅰ レヴァント 東地中海沿岸地域の人々とケイフの味(池田裕)
⚫︎ギリシア
Ⅱ ギリシアの風土と人と
1 ギリシア人(福田千津子)
2 ギリシア語とギリシア文学(福田千津子)
⚪︎ ギリシアの古代史跡と博物館(馬場恵二)
3 生活の中のギリシア正教(木戸雅子)
4 ギリシア人と海(真下とも子)
⚪︎ プラティアとカフェニオン(馬場恵二)
5 第二次世界大戦と戦後(斎藤治子)
⚪︎ ギリシアの民家(白濱謙一)
ギリシア在住経験と研究に基づく内容で、古代ギリシアから現代ギリシアへの流れと、現代ギリシア(と言っても、1983年刊行ですので、それ以前の現代ギリシアですが)の歴史と文化が分かる1冊です。珍しいところでは「ギリシア語とギリシア文学」では、近現代のギリシア作家が列挙されていて、一部日本語訳が出版されている作品もあるような有名な作家もいますので、現代ギリシア文学の入り口として良さそうです。さらなる深みは、広島大学のリポリトジで公開されている「プロピレア」が良さそうです。また、「ギリシアの民家」は、ギリシアの伝統的住居についての珍しい論文です。著者の白濱教授は他にもギリシア民家についての論文を書かれておりますが、この本ではたった7ページだけしか書かれていないのが残念です。