作家シリーズのときは、私がもともと私小説を好まず、依頼でもなければ手がけなかった。江戸川乱歩は『人間椅子』で椅子の中『屋根裏の散歩者』では尻はしょりで屋根裏に潜んでもらった.三島由紀夫に著作の中で死んでもらっても、本人がそう書いているから、と制作していたが、現在のモチーフも、そう言い伝えられているから、と画にする面白さがある。最初に見て来たようなことを書いてる人物の書かれる瞬間を後ろから覗き込んでみたい。またそれがいかにして伝説として伝播して行くのかも知りたい。何百年の間に磨かれた、可視化するに値すら伝説は多い。
9月20日