『乞食大燈像』は一度生やした髭を削除したのもそうだが、当初白隠作のようにムシロで身体を覆うことを考えていたが、せっかく作った身体が隠れるのが我慢できなかった。背中にゴザ、手に托鉢用の蜂と葉っぱ付きマクワウリを持たせてみたが、少々寂しいので腰に瓢箪をぶら下げることにした。一度作ったが、しっくり来ず作り直した。髭をむしり取った影響が出ていた頭部も修正。これでようやく完成となった。 新作が一番良く感じるのは何よりであるが、これは単に目が慣れていないためだろう。だがしかし、たとえ錯覚だろうと、そう感じる限り私にとっては事実である。 完成した大燈国師こと宗峰妙超をながめ、国師が遺した『大燈国師遺誡』(ゆいかい)は私にとって以降、重要な指針となろうことを思った。