乞食(コツジキ)修行中だというのに晩年描かれた頂相のまま肥満体で作ることにしたら、好物のマクワウリを持っている割に、なかなかの貫禄に見える。脚が悪かった国師は、坐禅をするため自ら脚を折り、その時の血のついた法衣が残されているとか。実話とは思わないが、激しい人物ではあったのだろう。 未だ被写体を作っている段階である。しかもこれぞ。という1カットで終わることが多い。写真に全く興味なかった工芸学校時代、カメラマン志望の友人が、酔って「お前みたいな雑な奴が良い器なんか作れる訳がないだろ」というから「あの娘は元々可愛いし、あの山だってお前が雄大にした訳じゃないだろ!」といったバチが当たって人物どころか中国の深山風景まで作る羽目に。彼の預言は見事に当たったが、カメラマンにはならず、私は何十回と写真展を開いている。