大燈国師こと宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)の頭部はおおよそ完成したが、気になるのがおそらく尊敬した一休宗純が真似をしたとおぼしい横目の件である。俗世間を超越した悟りの境地を表現している、ということらしいが、そもそも大燈国師の肖像画を見て、一休と同じ横目だ、と思ったのがきっかけで、一休が汚い姿で歩き回ったのも大燈国師の影響なのか?と興味がわいた。一休は写真でいえばレンズを見ているが国師はさらにそっぽを向いている。眉も寄せ気味、口はへの字、嫌悪にも憐れみとも判断しかねる表情である。『乞食大燈像』の場合は別に構わないが、おそらくそんなものは残されてないだろう、なんて花園天皇と対座する大燈国師を作るなんて気を起こさないとも限らない。そのときは、この表情はまずいだろう。