大燈国師の頭部を制作中だが、参考にしている国師の頂相は晩年のもので肥満体であるが、まず作りたいのは物乞いの中で20年の、30歳前後の国師である。当然痩せていただろうが、誰だかわかるようにしたいので、あまりリアルにすることは考えていない。それでももちろん髪や髭はボサボサで汚くするつもりだが、臨済宗中興の祖白隠禅師が恐ろしく汚ない『乞食大燈像』を何枚も描いているので、関係筋から叱られることはないだろう。 作家シリーズ最後となった三島由紀夫を三島作品の中で死なせた『三島由紀夫へのオマージュ 椿説男の死』で三島を汚穢屋にして死なせたが、幼い三島は逞しい糞尿配達人の青年に対し「私が彼でありたい」と『仮面の告白』に書いているのだから喜ばれこそすれ、と躊躇することは一切なかった。