そのユーモア、発想が好きな絵師英一蝶に『雨宿り図屏風』がある。武士や芸人、動物までが屋敷の軒先で雨宿りしている。そこには身分も何もない。実は雲水姿で竹竿に骸骨の一休でやってみようと考えたことがある。烏の一声で悟りを開いたという一休なので、骸骨に烏をまとわりつかせようと思ったら初鴉が正月の季語だったので、これ幸い、とうまくまとまり雨宿り案はボツとなった。それが五条橋下で雨宿りしている大燈国師と物乞いその他の人達に変じて昨日浮かんだのだが。 私の作品内に多人数の作品がないのは、単に被写体を作るのが大変だからであるが、雨宿り図は様々が集ってこそで、そこが問題となる。いざとなれば知り合いの酔っ払いを何人か見繕って、なんて手がないことはないけれど。そんな心配は主役の完成後の話であろう。