建長寺では実在したが、陰影を与えられたことがない時代の人物に陰影すなわち立体感を与え、寒山拾得や仙人は陰影のない作品を展示した。個展終了後、連日作ってもいないイメージにうなされる有様であったが、悪夢が覚めてみると、そもそもが全て私が作ったものであるし、ルールブックは私である。さっそく以前だったらしなかったことを試みると全く問題がなく一皮剥けたが如し。 幼い頃からの流れを考えると私から好奇心、集中力が失われるとは思えず、昔から最晩年にピークを持って行けると踏んでいた。新作が一番という決まりを今回も守れただろう。多少の毒なら効く頃には終わっているであろう、ここからが本当の自由かもしれない。