作家シリーズの江戸川乱歩のように、作品として今後も活躍してもらいたい人物が一休和尚だが、まずは小四の時に読んだ『一休禅師』のイメージの雲水姿である。瓢箪を肩にしているのは、3、4歳の頃、TV時代劇『紅孔雀』で八名信夫がこうやって酒をガブガブやっていたのを覚えていた。 私の中には見る人を笑わせたい、という願望が押さえ難くあるが、ユーモラスな発想が好きな元禄の絵師に幇間でもあった英一蝶がいる。シャレが過ぎたか島流しにもなっている。一蝶に『一休和尚酔臥図』という和尚が往来で酔いつぶれている作品があり、ならば、と髑髏を竹竿に掲げて正月の京の街を歩くという嫌味なことをしたその晩に、酔いつぶれているところを以前制作した。長辺1、5メートルにする必要は感じないので今回は出品しないけれど 。