建長寺では一部の方々が、中国の大覚禅師の生誕地を訪れているようである。鎌倉時代、当時の最新の中国文化を日本に伝えたのは日本からの留学僧、あるいは来日した大覚禅師や仏光国師だったわけで、雪舟も絵画を学びに訪れたが、日本とは違う風景に「ほんとにこうなってたんだ。」とびっくりした画僧もいただろう。『蘭渓道隆天童山坐禅図』は縦2メートルにプリントした。天童山は栄西や明全、道元も修行した山だが、あくまで私の創作である。虎を見たことがなかった日本の絵師たちが描く虎は、どうしても身近な猫じみてしまうことなどを想う。
