午前中にふげん社より残りのプリントが届く。縁とは不思議なものである。ふげん社がふげん社でなかったらこのプリントはなかった。まだ築地にあった頃、個展の話をいただいてプリントを持って伺った。その中にギャラリーに断られながらようやく2011年に開いた三島由紀夫へのオマージュ展『男の死』の作品が数点。意外にもふげん社移転後に続編が決まった。三島はともかく死んでるだけの作品ですが、と私の勘違いではないかと後日確認に出向いたくらいだったが2022年に『没後50年・三島由紀夫へのオマージュ椿説男の死』となった。私が1日でも早くしなくては、とずっと恐れ続けてきた篠山紀信撮影の『otoko no shi』出版5ヶ月前だった。三島ではこのモチーフ以外やりたいことはない。ところがふげん社は寒山拾得の拾得が普賢菩薩の化身だということから付けられたという。2年後の『Don’t Think, Feel!寒山拾得展』となった。 やはり何処かで誰かがシナリオを書いている。そのシナリオを受信し実行できるかに人生一度きり劇場はかかっている。