展示は六月なので時間はあるが、展示用キャプションを書く。こういうことは早めにやっておいた方がよい。この人物はなんで龍が身体に巻き付いているのか、荒天の中、帆柱の上に立っているのか?という方々のために、簡単な説明は必要だろう。2000年に廃れていた写真の古典技法オイルプリントによる1回目のピクトリアリズ展を開いたが、見たことのない手法に、来廊者の目に明かりが灯らない、というトラウマになりかねない経験をした。ほとんどかつての数学や物理の授業中の私のようであった。結局キャプションでは追い付かず、技法公開のためHPを立ち上げた。 先日建長寺の鎌倉禅研究会で作品を披露した時、若いお坊様が写真作品の前で皆さんに見えるよう被写体の大覚禅師像を持っていただいたが、数センチの顔が数十倍に拡大され、おそらく何割かの方は理解されずじまいだったろう。