寒山拾得の制作以来、幼い頃からのことを思い出すことが多い。それが実在した高僧を作るに至り、鍵っ子時代、百科事典の別巻日本の美術の高僧像のリアルさに飽きずに眺めたことを思い出した。共働きとなった母が私の教育に悩み、学校と相談して某施設に連れて行ったり苦労していたことが思い出される。しかしある時から治らない?と諦めたか、好きな道で、と応援してくれるようになった。 ホームの母に一休宗純を作っていることを伝えると、小四の時に大人向けの『一休禅師』を書店の店先でねだる私に、最初は「読んだって判るわけない」と反対したことを覚えていた。そして “それはこういうシナリオだったのね。“ 母はおそらくどこかでそう納得したことであろう。