友人がアメリカに旅行に行くというので、スマホに入れとけ、と送ったのが半憎坊である。おそらく猿田彦が変化したものだろう、道開きの神である。制作者のことさえ気にしなければ海難、火難避け、様々なご利益があるとされる。そういえば、と思い出したのが、三島の戯曲『船の挨拶』。怪しげな船からの銃撃に感謝しながら死ぬ灯台職員の話である。いかにも三島らしい。 航行する船に向けて掲げられた国際信号旗、これは〝汝の安全なる航行を祈る“である。三島はなるべく時代の変化に影響受けないよう心がけたが、その後変更された。実際は小雨混じりの曇天の野島崎灯台を撮影した。天気だけでなく配置をだいぶ動かしたし、上で抱き合ってるアベックを抹消した覚えがある。友人は空の旅だったが、こちらも送っておいた。