ドーパミンだかなんだか、痺れるような快感物質を溢れさせるのは、夜、こんなことをしているのは地球上で私だけだろう、と頭から取り出し可視化したものを眺める時である。この物質は小学校低学年で、始業のチャイムが鳴っているのに図書室から出て来ず騒ぎを起こした時も間違いなく溢れていた。この物質を溢れさせるには諸条件を伴う。地球上で私だけなのは需要がないからだ、なんてことがよぎるようではまず無理だし、カラの米櫃の底を、怖い顔して突きつけるような存在が身近にいるようではさらに無理である。 しかしそんなことをものともせず、あの物質に身も心も浸るためアメリカに渡り、どんな過酷な状況でも笑っている男。まもなくあの快楽に酔う笑顔が連日見られることだろう。